…また,現代においても日本人の生活においてよく利用されている魚といえる。 日本では干魚よりも鮮魚を尊重し,ことに尾頭付きといって全形をそなえたものを喜び,切身をいやしむ風が強い。ことに吉事の際に縁起ものとして全形のものを望む。…
…近世に入ってその評価が逆転し,鯛は最高の魚とされるようになったが,それには鯛が“めでたい”に通ずるといったこじつけが行われ,縁起のよい魚とされたことも大きな理由である。こうして祝膳には尾頭付きの鯛が欠かせぬものとなり,正月には干鯛2尾を結び合わせてかまどの上や門松に掛ける懸鯛(かけだい)の風習なども生じ,〈壱枚の代金壱両弐歩づつ,しかも尾かしらにて壱尺二三寸の中鯛なり〉(《日本永代蔵》)といった法外な高値が見られたこともある。料理としては刺身,塩焼き,潮汁,ちりなべ,蒸物,あら煮など,頭やあらまでを用いてさまざまに使われるが,1785年(天明5)刊の《鯛百珍料理秘密箱》には同工異曲のものが多いとはいえ,99種の料理が紹介されている。…
※「尾頭付き」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...