重陽(読み)ちょうよう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

重陽
ちょうよう

菊の節供九月節供重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった。月と日に9の陽数が重なるのでこの名がある。

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デジタル大辞泉の解説

ちょう‐よう〔‐ヤウ〕【重陽】

《陽数である九を重ねる意から》五節句の一。陰暦9月9日のこと。また、その日に行われる節会(せちえ)。中国を起源とし、日本では平安時代に宮中の年中行事として菊の宴が催された。菊の節句重陽の節。重九。 秋》「―の山里にして不二立てり/秋桜子

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百科事典マイペディアの解説

重陽【ちょうよう】

旧暦9月9日の節供。菊の節供とも。陽数の9を重ねためでたい日で,中国ではこの日,茱萸(しゅゆ)を飾り,高所に登って菊酒を飲み,長寿を願い災難を払う風習があった。これが日本にも伝わり,宮中で菊花の宴が行われ,群臣が詩歌を作り,菊酒を賜った。江戸時代には五節供の一つとして最も盛んで,民間でも菊酒を飲み,栗飯(くりめし)をたいたが,明治以後すたれた。
→関連項目お九日

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうよう【重陽】

9月9日の節供。陽数(奇数)の極である9が月と日に重なることからいい,重九(ちようきゆう)ともいう。中国行事の渡来したもので,邪気を避け,寒さに向かっての無病息災,防寒の意味もあった。菊花宴ともいい,685年(天武14)を起源とするが,嵯峨天皇のときには,神泉苑文人を召して詩を作り,宴が行われていることが見え,淳和天皇のときから紫宸殿で行われた。菊は霊薬といわれ,延寿の効があると信じられ,この日,菊酒を飲むことも行われた。

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大辞林 第三版の解説

ちょうよう【重陽】

〔陽数である九が重なることから〕
五節句の一。陰暦九月九日に行われる節会せちえ。中国から伝わり、平安時代には宮中の年中行事となって観菊の宴が催された。菊の節句。重九。 [季] 秋。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ちょう‐よう ‥ヤウ【重陽】

〘名〙 (陽数の極である九が重なる意) 五節供の一つ。陰暦九月九日のこと。また、その節会(せちえ)。重陽の節。菊の節供。《季・秋》
※続日本紀‐天平宝字二年(758)三月辛巳「卒土公私、一准重陽、永停此節」 〔杜甫‐九日詩〕
[語誌](1)九月九日を吉日として、茱萸を身に着け、菊酒を飲む習俗が漢代には定着し、五代以後は朝廷での飲宴の席で賦詩が行なわれた。この行事が日本にも伝わり、「書紀‐天武一四年(六八五)九月」に見えるのが最初の宴である。嵯峨天皇の時代に毎年の宮廷行事として定着した。
(2)詩宴は漢詩文を賦するのが本来であるが、和歌の例も「古今集」に見られる。また、時代が下るにつれ、菊の着せ綿や菊合わせなどが加わり、菊の節供としての色合いが強調されるようになる。

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世界大百科事典内の重陽の言及

【お九日】より

…9月9日,重陽(ちようよう)の日を,秋祭の日とする風から,尊んでお九日といったもの。供日,宮日などとも書く。…

【重日】より

…古来,中国では3月3日,5月5日,7月7日,9月9日というように,月の数と日の数とを重ねた重日をたいせつな節供としてきた。この上巳(じようし),端午(たんご),七夕,重陽(ちようよう)に1月7日の人日(じんじつ)を加えて五節供と称することは,朝鮮,日本でも行われている。また五節供とは別に,暦注の一つとしての重日があり,これは中国の易学の影響を受けて成立した。…

【数】より

…8だけでなく,3や5も三世界(高天原,黄泉(よみ)国,現(うつし)国)や三種の神器,イザナミ・イザナキの三貴子,宗像(むなかた)の三女神,五魂(海,川,山,木,草),五十猛(いそたける)神,五部(いつとも)神などの例があり,吉数とみられていた。しかし,《日本書紀》あたりからしだいに大陸文化を尊ぶ風が盛んになって,七夕(7月7日)や重陽(9月9日)の節供のように8に代わって7や9が聖数として重視されるようになり,今日では七五三,三三九度,お九日をはじめとして民俗のうえでは欠くことのできない重要な数となっている。 数は民俗の中では,俗信における語呂合せなどに基づく不定のものと,年中行事や人生儀礼での期日,供物の数,行為の回数,年齢など一定しているものとがある。…

※「重陽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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