治る後遺症、治らない後遺症(読み)なおるこういしょうなおらないこういしょう

家庭医学館 の解説

なおるこういしょうなおらないこういしょう【治る後遺症、治らない後遺症】

 脳卒中発作(のうそっちゅうほっさ)がおこった時点では、その症状が回復可能かどうかはわかりません。
 70歳以上のお年寄りは、訓練を受けても回復が思わしくないことが多く、とくに重度失語症(しつごしょう)、半側失認(はんそくしつにん)(まひしている側の事物を認識することができない)、失禁(しっきん)をともなっている場合は、まひなどが回復しない傾向があります。
手足のまひ
 1か月以内に手足をいくらかでも自分で動かせるようになった場合は、以前のように動かせるようになる可能性があります。
 6か月たっても完全に回復しないときは、健康なときと同じ状態にもどれないことが多いのですが、その後6か月は、訓練しだいで、少しはよくなる可能性があります。
 1年たつと、まひがそのままの状態で固定し、訓練してもそれ以上に回復する可能性はなくなります。
 ふつう、肩の周辺よりも手先のほうが回復の度合いが悪く、また、手に比べて足のほうが先に回復します。
 発作時に手足がまったく動かない場合、手(とくに手先)のほうは回復しなくても、足のほうは補装具の使用で歩けるようになることが多いものです。
■失語症、その他言語障害
 1年訓練しても回復しない場合は、回復の見込みのないことが多いのですが、ときに1年以上かかって回復する人もいます。
■しびれ感などの感覚障害
 しびれ感は回復しにくく、何年も持続することが少なくありません。薬物療法でよくなることもあります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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