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失語症 しつごしょうaphasia

翻訳|aphasia

9件 の用語解説(失語症の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

失語症
しつごしょう
aphasia

失語症には,その症状によっていくつかの型に分類される。ブローカ失語──運動性失語,表出性失語ともいい,理解力は比較的よいが,なめらかに話せない。ウェルニッケ失語──感覚性失語,受容性失語ともいい,理解力の障害がひどく,なめらかに話すことができても,全体として意味不明な話になりやすい。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

失語症

脳卒中や脳腫瘍(しゅよう)、事故による頭部への外傷などで、脳の言語中枢が損傷することで起こる。話すことが困難になるだけでなく、話す、聞く、読む、書くという言葉を操ること全般が難しくなる。○失語症の人との会話のコツ・ゆっくり、表情を見て話す・短く、わかりやすい言葉で話す・繰り返して言う・話題を急に変えない・「はい」「いいえ」で答えられる質問をする・漢字で要点を書きながら話す・カレンダー、地図、写真などを使いながら話す

(2006-03-30 朝日新聞 朝刊 都 2地方)

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デジタル大辞泉の解説

しつご‐しょう〔‐シヤウ〕【失語症】

聴覚や発声器官に異常がないのに、大脳の病気や障害によって言語中枢が損傷され、言葉を理解したり話したりできなくなる状態。言葉が理解できない感覚性失語症と、理解はできるが話すことができない運動性失語症とがある。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

失語症【しつごしょう】

言語障害の一種。大脳,特に言語中枢の損傷によって,一度獲得された言葉の表現や理解に障害がある状態で,発語に必要な舌,唇(くちびる),口蓋などの筋肉には異常がないもの。
→関連項目言語療法行動療法半身不随

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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家庭医学館の解説

しつごしょう【失語症】

 話す、書くなどの言語の表出、そして聴く、読むなどの言語の理解が同時にさまざまの程度に損なわれた状態を、失語症と呼びます。
 理解は比較的よく保たれているが、話しことばや書字がおもに損なわれている失語症を運動性失語症(うんどうせいしつごしょう)、理解が損なわれ、話す内容も支離滅裂(しりめつれつ)になるが自分ではその異常に気づかないでいるような状態の失語症を感覚性失語症(かんかくせいしつごしょう)と呼びます。理解も比較的よく、比較的発話量も多いが、かんじんのことばがなかなか出てこないようなタイプの失語症を健忘性失語症(けんぼうせいしつごしょう)といいます。もっとも重症の失語症で発話もほとんどなく、理解力もほとんどなくなっている失語症は全失語症(ぜんしつごしょう)と呼ばれます。

しつごしょう【失語症 Aphasia】

[どんな障害か]
 ことばの生成、理解をつかさどる脳の機能のうちで、概念を文章へ、さらに文章を音節のつながりへ変換する過程や、逆にことばのつながりを概念として理解する高位の中枢(ちゅうすう)の障害によっておこる言語障害です。
 障害は、話しことばだけでなく、文字による表現や理解にもおよびます。
[症状]
 大多数の人は、大脳の言語中枢(げんごちゅうすう)が左脳(さのう)の前頭葉(ぜんとうよう)から側頭葉(そくとうよう)にかけて存在します。言語中枢のなかで、出血や梗塞(こうそく)などの脳血管疾患、外傷や腫瘍によって、前頭葉のブローカ領野が障害されると、発話量の減少、文法の誤り、復唱の障害など、おもにことばの表出面に強い障害がおこります(運動失語(うんどうしつご))。
 一方、側頭葉のウェルニッケ領野が障害されると、発話量は増えますが意味不明だったり、一貫しない音の誤りが多発し、ことばの音や意味に関する理解面の障害が強くおこります(感覚失語(かんかくしつご))。
 これら2つの代表的な失語症状のほかに、両者が合併する重度の失語(全失語(ぜんしつご))から、言おうとすることばが思うように出てこない(健忘失語(けんぼうしつご))軽いものまで、ことばの表現と理解に関するいろいろな症状が現われます。
 認知症や意識障害と異なり、自分をとりまく状況や対人関係についての認識はほぼ正常にはたらくのに、ことばによる意志の疎通が著しく障害された状況に対する、本人の心理的な苦痛をよく理解してあげることが必要です。
[検査と診断]
 脳神経外科神経内科で原因疾患の診断と治療方針の決定を行ないます。病巣の位置の診断が重要で、高性能のCTやMRIなど画像診断の設備が整った医療機関での検査が必要となります。また失語症状の詳しい把握のため、言語聴覚士(げんごちょうかくし)による失語症検査が行なわれます。
[治療]
 脳血管障害に代表される成人の中枢神経障害では、発症後数か月間は症状の改善が期待できる期間です。発症から約半年を過ぎると、神経障害は固定する傾向にあります。
 失語症の治療には、原因となる病気の治療と並行して言語機能の改善をめざす早期リハビリテーションと、症状固定期を過ぎてからのコミュニケーション能力の総合的な向上・維持、退院後の生活への適応を目的とする長期的なリハビリテーションがあります。
 発症後なるべく早く理学療法作業療法などとともに言語療法を開始することが望ましく、近年では脳神経外科を標榜(ひょうぼう)する医療機関に言語聴覚士が所属することが多くなってきています。

出典|小学館
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世界大百科事典 第2版の解説

しつごしょう【失語症 aphasia】

幼時からの経験によって習得した言語の表出と理解が大脳の特定部分の損傷によって障害された状態を失語または失語症という。大脳の損傷部分は,右利きの人では左半球の特定部分である。左利きの人では,約60~70%が右利きの人の場合と同じであるが,残りの30~40%は右半球の特定部分の損傷で生ずる。失語症を生ずる病気としては,脳卒中頭部外傷,脳腫瘍などがある。 失語症になると,話し言葉の表出,話し言葉の理解,書字,文字理解などのうちの一つ以上が障害されるが,その症状は多様である。

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大辞林 第三版の解説

しつごしょう【失語症】

大脳皮質の言語中枢が脳卒中や外傷などにより冒され、聴覚器や発声器自体には障害がないのに言語の理解や表出が困難になる症状。話し言葉だけでなく、読み書きも障害される。ブローカ失語・ウェルニッケ失語・健忘失語・全失語などのいくつかのタイプがある。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

失語症
しつごしょう

普通、左大脳半球にある言語中枢の障害によって、話すことばや話されたことばを理解したり、読む、書くなど言語の能力の一部または全部が失われた状態をいう。原因となる病気には、脳出血、脳梗塞(こうそく)、脳腫瘍(しゅよう)、外傷などがあるが、とくに脳血管障害が多い。
 失語症にはいろいろなタイプがあり、代表的なものは、人の話すことは理解できるが、自分の考えなどを話したり書いたりすることができなくなる運動性(表出性)失語と、他人のいうことを理解したり、読んだものを理解することが障害される感覚性(受容性)失語である。運動性失語はブローカ中枢、感覚性失語はウェルニッケ中枢の障害によるとされている。一般的には程度の差こそあれ、表出も受容も障害されている例が多い。
 失語症の患者はあまりことばを発せず、ことばを出すのに努力を要し、流暢(りゅうちょう)にしゃべれなくなる(とくに運動性失語)。また、意図したことば、日常よく使用する物の名称などが思い出せなくなる(喚語(かんご)困難、語健忘)。とくに喚語困難が目だつ失語症は、健忘失語とよばれ、角回(かくかい)にある言語中枢と密接な関係があるともいわれている。一つのことばを何度も繰り返しいったり(保続)、単語を間違えて時計を「たばこ」といったり(語性錯語)、一つの文字を誤って時計を「タけい」といったり(字性錯語)、さらには意味のわからない、でたらめのことばを流暢にしゃべったりすることもある(ジャーゴン)。これらはとくに感覚性失語にみられる。医師のいう簡単な単音、単語、文章が復唱できなくなることもある(復唱障害)。とくに復唱が際だって障害されている失語症は、伝導失語とよばれる。[海老原進一郎]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の失語症の言及

【ウェルニッケ】より

…精神神経疾患について精神反射弓の理論(感覚→精神内界→運動)を用いて研究し,脳病変の局在学を重視した。失語症の分類図式(ウェルニッケ=リヒトハイムの図式)を作り,感覚失語の病巣(左側頭葉,ウェルニッケ中枢)を決定した。アルコール中毒のウェルニッケ脳炎でも有名。…

【言語障害】より

…一つは構音障害であり,発音の障害のことで構音器官の障害を原因として起こる。失語症で起こる話しことばの障害はふつうは除くが,近年は構音障害として扱うことがある。またどもりも構音障害に含まれる。…

【失読症】より

…たとえば,書字言語の理解は正常でも,誤って発音するなどであり,これを錯読paralexiaという。失読は失語症の部分症状として生じることが最も多く,これを失語性失読という。また頻度は低いが,左頭頂葉の破壊によって起こる失読‐失書(失読と失書のみが生じる症状)の部分症状として生じることもある。…

※「失語症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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