看羊録(読み)かんようろく

改訂新版 世界大百科事典 「看羊録」の意味・わかりやすい解説

看羊録 (かんようろく)

朝鮮,李朝の文臣姜沆(きようこう)が,日本の内情を秘密裏に本国政府に報告した文集。1598年豊臣秀吉の朝鮮出兵時に捕虜となり,京都伏見に幽閉されていた彼は,京都相国寺の藤原惺窩との対話や,京都方広寺の耳塚のことなどを記録にとどめ,当時の日本を知るうえで興味ある内容が多い。1600年帰国した姜沆はみずからを罪人としてこの文集を《巾車(きんしや)録》と題したが,門人が漢の蘇武節義になぞらえて《看羊録》と名付け後世に伝えた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本歴史地名大系 「看羊録」の解説

看羊録
かんようろく

解説 慶長の役で捕らえられた朝鮮儒者姜の見聞記・報告書

活字本 日本庶民生活史料集成二七・平凡社東洋文庫

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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