逆チョコ(読み)ぎゃくちょこ

知恵蔵 「逆チョコ」の解説

逆チョコ

バレンタインデーで、男性が女性に贈るチョコレート。2008年のバレンタイン商戦から話題に上り始めた。08年12月に森永製菓が実施した意識調査(10~50代の男女800人対象)によると、男性の72.8%が贈ってもよいと回答。これを受け、同社は09年1月に通常商品のパッケージロゴを反転させた「逆チョコ」3シリーズを発売した。前年からの金融不況で消費マインドが冷え込む中、マーケッターやコンビニ、百貨店などの小売店も、新しいトレンドとしての「逆チョコ」を積極的にアピール。菓子業界・流通業界ともにバレンタインデーの新機軸として力を入れている。そもそも女性が男性にチョコをプレゼントするという風習は日本特有のもので、58年に洋菓子商(製造・販売)「メリーチョコレート」が企画したのが始まりとされる。当初、女性限定の「愛の告白ツール」だったバレンタインチョコは、やがて「本命チョコ」と「義理チョコ」に二分化。その後は、次第に職場や学校での人間関係を円滑にさせる「義理チョコ」が主流になり、バレンタインデーは一大イベントとして国民の間に浸透するようになった。近年は、親しい友人に贈る「友チョコ」、自分へのごほうび「マイチョコ」、義理チョコの延長型「世話チョコ」が出現するなど、需要多様化が進んでいる。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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