森永製菓(読み)もりながせいか

共同通信ニュース用語解説 「森永製菓」の解説

森永製菓

1899年に東京・赤坂に創設した日本初の洋菓子専門工場が発祥。1914年に発売したミルクキャラメルは現在も店頭に並ぶ。天使をあしらったエンゼルマークが会社のシンボル横浜市愛知県安城市、栃木県小山市、静岡県三島市に直営工場がある。2016年3月期連結決算の売上高は1818億円。パートを含む従業員数は約3千人。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「森永製菓」の意味・わかりやすい解説

森永製菓(株)
もりながせいか

老舗(しにせ)の菓子製造会社。1899年(明治32)アメリカで菓子の製造法を習得した森永太一郎(1865―1937)が東京に森永西洋菓子製造所を開業したのが発祥。1905年(明治38)には松崎半三郎(1874―1961)が参加し営業面を担当、10年には株式会社とし、12年(大正1)には森永製菓と改称した。1914年にポケット用ミルクキャラメルを、18年にはミルクチョコレートを発売、広告宣伝による大量販売を行って全国的に知られるようになった。1923年、26年に横浜鶴見(つるみ)と尼崎(あまがさき)塚口に新工場を建設、中国、朝鮮はじめ東南アジア各地まで販路を拡大した。第二次世界大戦後の1949年(昭和24)には乳業部門(1917創設)を森永乳業として分離、50年代後半には主力製品にビスケットを加え、以後アイスクリーム、飲料、スナック菓子と製品を多様化。1984年のいわゆる「グリコ・森永事件」では大きな痛手を受けた。資本金約186億円(2008)、売上高1496億円(2008)。国内に5工場、生産・販売・外食などを含み15の関連会社をもつ(2008)。

[森 真澄]

『森永製菓株式会社編・刊『森永五十五年史』(1954)』『森永製菓株式会社編・刊『森永製菓一〇〇年――はばたくエンゼル、一世紀』(2000)』

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百科事典マイペディア 「森永製菓」の意味・わかりやすい解説

森永製菓[株]【もりながせいか】

1899年森永太一郎が自ら開発したキャラメルの販売のため創業,明治末には洋風菓子の大量生産を実施するまでに発展した。1949年森永乳業を分離。菓子,びん詰および缶詰食品を主力とする総合製菓だが,健康食品,外食産業にも進出。本社東京,工場鶴見,塚口,中京,三島,小山。2011年資本金186億円,2011年3月期売上高1573億円。売上構成(%)は,食料品製造87,食料卸売及び飲食店11,不動産及びサービス2。
→関連項目チョコレート森永乳業[株]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「森永製菓」の意味・わかりやすい解説

森永製菓
もりながせいか

製菓会社大手。菓子製造技術を学んでアメリカから帰国した森永太一郎が,1899年日本最初の洋菓子専門会社として始めた森永西洋菓子製造所を創始とする。 1905年にはエンゼルマークを商標登録。 1910年森永商店設立を経て,1912年現社名に改称,1943年森永食糧工業と改称,1949年森永乳業,森永商事を分離し現社名に復した。 1953年森永醸造,1954年森永キャンデーストアを分離設立,1969年森永商事合併。 1899年より同社の代表的商品であるミルクキャラメルを発売。その後次第に製品の種類を増やし,日本の代表的製菓会社となった。売上構成比は,菓子 57.1%,食品 23.5%,冷菓 12.3%,その他 7.1%。年間売上高 1495億 6600万円,資本金 186億 1000万円,従業員数 2025名 (2004) 。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「森永製菓」の解説

森永製菓

正式社名「森永製菓株式会社」。英文社名「Morinaga & Co., Ltd.」。食料品製造業。明治32年(1899)前身の「森永西洋菓子製造所」創業。同43年(1910)「株式会社森永商店」設立。大正元年(1912)現在の社名に変更。本社は東京都港区芝。製菓会社。「森永ビスケット」「チョコボール」「ハイチュウ」などが主力ブランド。ほかに健康食品やココアなど。東京証券取引所第1部上場。証券コード2201。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

世界大百科事典(旧版)内の森永製菓の言及

【チョコレート】より

…東京の両国若松町の風月堂が製造を始め,〈貯古齢糖〉という最初の広告が出たのは78年であった。その後各社でつくられたが,1918年森永製菓が初めてカカオ豆の処理からの一貫生産に着手し,以後数社が追随して,生産量は急激に増加した。しかし,40年にはカカオ豆が輸入禁止となり,50年の輸入再開まではチョコレートの生産は事実上不可能となった。…

※「森永製菓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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