アリスティデス(英語表記)Aelius Aristides

改訂新版 世界大百科事典 「アリスティデス」の意味・わかりやすい解説

アリスティデス
Aelius Aristides
生没年:117か129-181以後

ローマ帝政期ギリシアの文人弁論家。ヘロデス・アッティクスなどに修辞を学び,小アジアで著述演説を行った。代表的作品《ローマ頌詩》は属州民の立場からローマ帝国支配構造の巧みさを讃え,《聖なるロゴス》は彼が参詣した治癒神アスクレピオスのお告げしるし,当時の医術の一断面を伝える。その他《アテナイ讃歌》《修辞学》など,いずれも当時の社会を知るうえでも重要な著述で,ビザンティン時代にも愛読された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「アリスティデス」の解説

アリスティデス
Aristeides

前520頃~前467頃

アテネ将軍政治家ペルシア戦争に数々の戦功を立て,戦後もアテネを中心とするデロス同盟結成に大きな役割を演じた。保守的かつ清廉な政治家として知られた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアリスティデスの言及

【ローマ理念】より

…こうして,その後のローマ理念を貫く主要なモティーフは,アウグストゥス時代にほぼ形成されたが,この時期のローマ理念は,現実の都市ローマと密着してその世界支配をたたえる,いわば民族主義的・帝国主義的ローマ理念であった。 これに対し,五賢帝時代のギリシアの文人アリスティデスは,属州民,それもローマの支配の恵みにあずかる受益者層の立場からローマの支配をたたえ,文明化された全世界がローマの名にまとめられ,万人のための共通の祖国となったと歌い上げ,ローマの名を普遍的文明の象徴としていく。その後,3世紀の混乱のなかで都市ローマは現実の帝都ではなくなるが,こうして普遍化されたローマ理念は人々の心中に生き続ける。…

※「アリスティデス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android