ウェストサセックス県(読み)ウェストサセックス(英語表記)West Sussex

翻訳|West Sussex

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェストサセックス県」の意味・わかりやすい解説

ウェストサセックス〔県〕
ウェストサセックス
West Sussex

イギリスイングランド南東部の県。県都チチェスター。1889年に旧サセックス県がイーストサセックス県とウェストサセックス県に分割されて成立。1974年の自治体再編により,イーストサセックス県の最西部とサリー県の一部(ガトウィック空港地区)が編入された。イギリス海峡に面する県で,大部分平地からなるが,白亜サウスダウンズ丘陵が南部を西北西―東南東方向に横切り,北東部には砂岩丘陵がある。サウスダウンズ丘陵は北側のウィールド地方に面して急斜面をなすが,南側斜面は海岸平野に向かってゆるやかに傾斜する。新石器時代からローマ時代にいたる初期の農耕集落はおもに白亜の丘陵地帯に形成され,古墳や採石場跡などが各地で発見されている。ローマ軍の撤退後,南端にあたるセルジー付近からサクソン人(ザクセン人)が侵入し,サセックス王国を建設したが,9世紀前半にウェセックス王国の支配下に入った。18世紀末頃から海岸地帯にボグナーリージスワージングなどの保養地が発展し始め,ロンドンからの鉄道が通じてからはその郊外住宅地として発展。かつては牧羊が盛んで,サウスダウン種ヒツジ産地として知られたが,今日では衰退し,酪農が重要となっている。主要作物は穀物根菜類で,ワージングを中心とした海岸地帯では市場園芸が盛ん。面積 1991km2人口 76万4400(2005推計)。

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