エビガライチゴ(読み)えびがらいちご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エビガライチゴ」の意味・わかりやすい解説

エビガライチゴ
えびがらいちご / 蝦殻苺
[学] Rubus phoenicolasius Maxim.

バラ科(APG分類:バラ科)の落葉低木。全体に赤褐色、有柄の腺毛(せんもう)を密生し、この色をエビの殻に見立てて、名づけられた。初夏に径約1.5センチメートルの淡紅色の5弁花をつける。果実集合果で、赤く熟し、食べられる。北海道から九州まで広く生育し、中国、朝鮮に分布する。日本のものがヨーロッパや北アメリカに観賞用として導入され、いまでは道端、やぶ、疎林に帰化している。

[鳴橋直弘 2019年12月13日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のエビガライチゴの言及

【キイチゴ(木苺)】より

…冬に果実が見られるフユイチゴR.buergeri Miq.は,北陸・関東以西の山地の林縁または疎林下に見られ,花弁は白色,果実は赤色である。蝦殻(えびがら)色の毛を一面にもっているエビガライチゴR.phoenicolasius Maxim.(英名wineberry)は,全国の山地に分布する。葉や花がバラに似るバライチゴR.illecebrosus Focke(英名strawberry‐raspberry)は,関東以西の少し高い山地に見られ,花弁は白色,果実は赤色,北アメリカで栽培される。…

※「エビガライチゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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