パンクラーツィ(読み)ぱんくらーつぃ(英語表記)Pietro Pancrazi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パンクラーツィ」の意味・わかりやすい解説

パンクラーツィ
ぱんくらーつぃ
Pietro Pancrazi
(1893―1952)

イタリア評論家、小説家。パドバ大学法学を修めるが、早くから文学を志し、多くの作家や評論家と交わる。その交友のなかから、たとえばパピーニとの共編になる『現代の詩人たち 1900~1920』のような優れたアンソロジーが編まれた。その文学観の根底には文学と生き方の一致を求める姿勢があり、そうした、いわばモラリスティックな姿勢と、非凡な平衡感覚が、『今日の作家たち』全六巻(1942~53)のような透徹した評論集を生み出すとともに、モラービアモンターレ才能をいち早く見抜かせる原動力ともなった。そのほか、小説『現代のイソップ』(1930)など作品は多い。

[川名公平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パンクラーツィ」の意味・わかりやすい解説

パンクラーツィ
Pancrazi, Pietro

[生]1893. アレッツォ
[没]1952. フィレンツェ
イタリアの評論家。クローチェに学び,現代文学対象に評論活動を行なった。主著『今日の作家たち』Scrittori d'oggi(6巻,1942~53)のほか『現代のイソップ』L'Esopo moderno(1930)など。

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