イソップ(英語表記)Aesop

翻訳|Aesop

精選版 日本国語大辞典 「イソップ」の意味・読み・例文・類語

イソップ

sop, Aesop Aisōpos (アイソポス)の英語名) 「イソップ物語」の作者とされる人物。その存在も未詳であるが、紀元前六世紀頃のギリシアのサモス王の奴隷で、寓話を巧みに話し、その機知の故に解放されたと伝えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「イソップ」の意味・読み・例文・類語

イソップ(Æsop/Aesop)

イソップ物語」の作者とされる前6世紀ごろのギリシャ人解放奴隷ともいわれるが、生涯についてはほとんど不明。アイソポスの英語名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソップ」の意味・わかりやすい解説

イソップ
Aesop

[生]?
[没]前564頃
ギリシアの伝説的な寓話作家。ギリシア名アイソポス Aisōpos。フリュギア生まれの奴隷といわれる。イソップの名を冠した散文の動物寓話集が存在したとされ,前5世紀には一般に寓話といえばイソップとされていた。その後もイソップの名のもとに寓話が集められたが,ギリシア語によるイソップ寓話集で現存する最古のものは,100年頃バブリオスが跛行イアンボス(→イアンボス)に変えたものであり,ラテン語のものではそれよりもやや古く,1世紀前半にファエドルスがイアンボス詩形で出版したもの。後者はのちに『ロムルス』Romulusの表題で散文に書き換えられた。また,イソップの寓話を題材にしたジャン・ドゥ・ラ・フォンテーヌの『寓話詩』は有名。日本には 16世紀にイエズス会宣教師によって伝えられ,江戸時代初期には仮名草子伊曾保物語』として国文体で翻訳された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「イソップ」の意味・わかりやすい解説

イソップ
Æsop
生没年:前620ころ-前564?

イソップ物語》の名で知られる動物寓話の作者。ギリシア名アイソポスAisōpos。生国はトラキアともフリュギアとも言われているが,詳細は不明。女流詩人サッフォーと同時代の人で,サモス島の人イアドモンの奴隷であったと,ヘロドトスは伝えている(《歴史》第2巻134章)。のちに自由の身となって,リュディアの王クロイソスに仕えたり,ギリシアの七賢人とともにコリントスのペリアンドロス王の宴席に列したとも伝えられるが,真偽のほどは明らかでない。後年デルフォイ訪問の際,市民たちに殺されたという。これはヘロドトスと喜劇作家アリストファネス(《蜂》1446~1448行)の言及によって裏づけられているが,いずれにせよ伝説に満ちた人物である。容姿がひじょうに醜かったと言われ,戯画化の対象ともなった。1世紀ころ種々の逸話奇行を盛り込んだ《イソップ伝》が作られたが,14世紀に至ってプラヌデスがこれを校訂した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「イソップ」の意味・わかりやすい解説

イソップ

動物寓話集《イソップ物語》の作者とされているギリシア人。ギリシア名はアイソポスで,イソップはその英語表記。ヘロドトスによればサモス島の奴隷だったという。《イソップ物語》は前300年ころアレクサンドリアで集成されたらしい。14世紀にコンスタンティノープルのプラヌデスが編集したものを底本に,15世紀には英・独訳ができ,やがて日本にも伝えられて《伊曾保物語》として知られた。
→関連項目寓話

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

家庭医学館 「イソップ」の解説

いそっぷ【イソップ】

 内視鏡を用いる治療が急速な進歩をとげ、かつては、腹や胸を切開しなければできなかった大手術が、内視鏡でできるようになってきましたが、近年、自動制御内視鏡手術支援システム(略してイソップ)というロボットがアメリカで開発され、臨床で用いられるようになりました。
 これは、医師の声に反応して、治療に必要な視野を確保、提供してくれるシステムで、このシステムを利用すれば、これまで2、3人の医師の手を必要とした手術が、1人の医師の手でできるようになるということです。
 光ファイバーで結べば、ロボットを操作し、同じ画面を見ながら遠隔地にある医療機関の手術を指導することも可能です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「イソップ」の解説

イソップ
Aisopos[ギリシア],Aesop[英]

前6世紀

ギリシアの寓話作者。元来はサモス島の奴隷で,解放後はリュディア王クロイソスの寵を得たといわれる。彼の名を冠せられる現存の寓話集は,ヘレニズム期以降にまとめられたものである。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「イソップ」の解説

イソップ
Aesop

前620ごろ〜前560ごろ
古代ギリシアの寓話 (ぐうわ) 作者。ギリシア名はアイソポス(Aisopos)
サモス島の解放奴隷といわれるが,詳細は不明。デルフィの市民に惨殺された。動植物の言動に処世訓をおりこんだ寓話は,今日まで世界に語り伝えられている。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソップ」の意味・わかりやすい解説

イソップ
いそっぷ

アイソポス

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のイソップの言及

【アレゴリー】より


【文学】
 アレゴリーの発想ないし方法の起源はきわめて古く,ギリシア・ローマ神話も聖書も,その多くの部分をアレゴリーとして解釈することが可能である。アレゴリーのもっとも単純明快な一例は,イソップの〈寓話〉であろう。彼の〈寓話〉は,単に表面上に現れた意味のレベルで理解すべき動物物語ではなく,そこに含まれた教訓こそがたいせつなのであり,イソップは,動物物語の形式をとりながら,人間存在の諸相を寓喩的に描いたのであった。…

【イソップ物語】より

…ギリシアのイソップ(アイソポス)が作ったと伝えられる動物寓話集。動物などの性格や行動に託して,ギリシアの一般大衆に,いかにすれば人は平穏無事に人生をおくることができるかを教える処生訓であった。…

※「イソップ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android