翻訳|anthology
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一般に同一の文学形式ないし主題の下にまとめられた諸作家の選集を指す語。詩の場合が多く,〈詞華集〉〈名詩選〉などと訳される。もとになった古代ギリシア語anthologiaの原意は〈集華〉であるが,これが今日の用法で使われるのは10世紀ビザンティン時代の学者が,古代より数回の集成編纂を経た三千数百編の短詩(多くはエレゲイア形式のギリシア語碑文詩=エピグラム)の集大成を遂げたときこの語を冠したことによる。その一つ《パラティナ詞華集》は15巻,いま一つの《プラヌデス詞華集》は1巻に収まる。その内容は敬虔なキリスト教徒の祈り,現世の哀楽に耽溺する古代人の歌,草木・芸術品・動物・酒などをめでる歌,風刺警句の詩,なぞなぞ詩,カリグラムなど,まさに玉石混交の観を呈しているが,ルネサンス以降ロンサールなどの詩人たちには絶大な影響を及ぼした。ラテン詩のアンソロジーも6世紀アフリカ北岸の詩人たちによって編まれ,中世ラテン文学に与えた影響は大きいが,文学上のメリットは,《ギリシア詞華集》に比肩しえない。
執筆者:久保 正彰
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詞華集、名詩選。ギリシア語のアンソロギアanthologia(花を集めたもの)に由来する。優れた詩や散文を集めたもので、最初の編者は紀元前1世紀のメレアグロスとされ、詩人50人のエピグラムepigram(短い風刺詩)を集めた。アンソロジーの名は2世紀の編者ディオゲニアヌスによって用いられた。こうして前7世紀から後10世紀に至る300人の詩人による6000の短詩が10世紀のケファラスによって完成され、アンソロジーというと、この『ギリシア詞華集』のことをさすようになった。近世のアンソロジーは叙情詩を中心とした短詩からなり、イギリスには『トテル拾遺選』Tottel's Miscellany(1557)、フランスでは『現代詩選』Le Parnasse contemporain(1866)があり、また、中国の『唐詩選』も含められよう。アンソロジーはジャンル別、時代別など種々あるが、内容は編者の鑑識眼や好みによって左右されることが多い。
[船戸英夫]
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