人造米(読み)ジンゾウマイ

デジタル大辞泉 「人造米」の意味・読み・例文・類語

じんぞう‐まい〔ジンザウ‐〕【人造米】

米の代替品として、また栄養強化のために製造した合成米。小麦粉・でんぷん・砕米などをまぜ、米粒大に固めたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「人造米」の意味・読み・例文・類語

じんぞう‐まい ジンザウ‥【人造米】

〘名〙 米の代替品として人工的に製した合成米。小麦粉を主に、砕米や澱粉を混ぜて米のように製したもの。〔日本家庭大百科事彙(1927‐31)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「人造米」の意味・わかりやすい解説

人造米
じんぞうまい

米の代替として考えられた合成米。米は古くから日本人の主食であり、明治・大正期においても国内生産は需要に追い付けなかったので、米の形をした食品を、たとえばトウモロコシを削ったり、あるいは穀粉を固めてつくろうとする試みがかなり古くから多数なされてきた。1953年(昭和28)、国内の余剰デンプンと輸入小麦粉をこねたうえ、米粒の形に整形したものが人造米あるいは合成米として市場に現れた。しかし食味のうえで問題があり、またその後、米の増産によって姿を消した。ただしビタミン類、無機質アミノ酸添加が容易にできる利点があり、強化人造米をつくるのに適している。事実タイで試験的に学童に投与されたリジン強化米は人造米であった。

[不破英次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の人造米の言及

【駅弁】より

…米飯はごく少量で副食はヒジキの塩煮だけ,またはふすまを混ぜたパンに,副食はカボチャとダイコン,ニンジンの葉の塩煮などで,肉も魚も皆無,それでもホームには風雨寒暑をいとわず長蛇の列ができた。その後に麦を材料とした人造米が規制外の主食として短期間だけ代用されたが,51年には鉄道旅客だけを対象に“等外米(くず米)”が各駅弁業者に限り特配されるようになり,このころから幕の内弁当も復活し,地方色豊かな,アイデアをこらした駅弁が現れ始める。握飯にたくあんだけの駅弁にとって代わる弁当らしい駅弁の第1号は,山陽鉄道会社線の神戸~姫路の山陽線部分開通の翌1889年(月日は不詳)に売り出された。…

※「人造米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android