アミノ酸(読み)アミノサン(英語表記)amino acid

翻訳|amino acid

デジタル大辞泉 「アミノ酸」の意味・読み・例文・類語

アミノ‐さん【アミノ酸】

分子内にアミノ基-NH2カルボキシル基-COOHとをもつ有機化合物の総称。カルボキシル基の結合している炭素原子にアミノ基のついたものをαアルファアミノ酸といい、ふつうはこれをさす。動植物に見いだされるアミノ酸は約80種あり、そのうちたんぱく質を構成するのはすべてαアミノ酸で、約20種ある。→ペプチド結合
[類語]栄養滋養養分人工栄養栄養分栄養素栄養価炭水化物含水炭素糖質糖類澱粉蛋白質ゼラチンコラーゲン脂肪・脂肪分・脂質ビタミンミネラル灰分無機質食物繊維

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精選版 日本国語大辞典 「アミノ酸」の意味・読み・例文・類語

アミノ‐さん【アミノ酸】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] amino acid の訳語 ) 分子中にアミノ基とカルボキシル基とをもち、タンパク質の加水分解によって生じる化合物の総称。広く動植物界に存在するが、人工的にも多くの合成法、分離法があり、グルタミン酸、アミノ酸しょうゆ、合成酒、栄養剤などとして用いる。

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改訂新版 世界大百科事典 「アミノ酸」の意味・わかりやすい解説

アミノ酸 (アミノさん)
amino acid

化学調味料のグルタミン酸,栄養剤飲料中のアルギニンアスパラギンなど,学校給食に添加するしないで話題になったリシン,これらはみなアミノ酸である。このようにアミノ酸が食品成分として重要視されるのは,まず何よりも生物が生きていくうえで不可欠なタンパク質がアミノ酸からできているからである。食物中のタンパク質は,消化酵素によってアミノ酸にまで分解された後,体内に吸収される。吸収されたアミノ酸は,さらに分解されてエネルギー源となるか,あるいは遺伝情報に従ってつなぎ合わされ,種々のタンパク質となる。新しくできたタンパク質は生物体の構成成分や酵素として重要な機能を担うことになる。

化学的には,1分子中にカルボキシル基-COOHとアミノ基-NH2の両方をもつ有機化合物を総称してアミノ酸という。またこの定義を少し広げて,アミノ基の代りに修飾されたアミノ基やイミノ基-NH-をもつもの,カルボキシル基の代りにスルホ基-SO3Hをもつものもアミノ酸に含めることが多い。種々のアミノ酸のうちで,カルボキシル基の結合している炭素原子(α-炭素という)にアミノ基の結合しているものをα-アミノ酸,その隣の炭素原子にアミノ基の結合しているものをβ-アミノ酸,以下,離れるにつれγ-,δ-,ε-アミノ酸などという(図1)。アミノ酸はカルボキシル基が酸,アミノ基が塩基の性質を示すので,両性電解質といわれる。水溶液中で中性のpHでは,カルボキシル基とアミノ基は水素イオンをそれぞれ解離・結合して,-COO⁻,-NH3⁺という電荷をもつ形をとる。これらの電荷が存在するため,アミノ酸の結晶は融点が高く(多くは200℃以上で,溶ける前に分解),水に溶かすと誘電率を増加させる。

 19世紀初めから現在に至るまでに,生物から数百種類のアミノ酸が発見されており,動植物やその成分にちなむ名前をつけられたものも多い。たとえば,アスパラギンの名はアスパラガスに由来するし,グルタミン酸は小麦のタンパク質であるグルテンにちなむ。このうちでタンパク質を構成するアミノ酸は,基本的には20種類であり,しばしば3文字または1文字の略号で表記される(表1)。またこの20種のアミノ酸はみなα-アミノ酸で,α-炭素原子には,カルボキシル基,アミノ基,水素原子,および各アミノ酸に固有の基(側鎖と呼ばれる)の四つが結合している。この場合,側鎖が水素原子であるグリシンを除き,α-炭素原子が不斉炭素原子であるため図2のような二つの立体(光学)異性体,D-型とL-型が存在するが,タンパク質を構成するアミノ酸はみなL-型である(立体特異性があるという)。これは,化学合成でできるアミノ酸がD-型とL-型の混合物(ラセミ体)であるのと異なり,生体内で起こる反応のいちじるしい特徴の一つである。D-型アミノ酸は生体内では珍しいが,細菌の細胞壁やある種の抗生物質などには含まれる。なお,タンパク質中に上記20種以外のアミノ酸が含まれることがあるが,これは20種のアミノ酸のどれかがタンパク質合成後に修飾を受けて変化したものである(表2)。

 タンパク質はアミノ酸が数十個から数千個,結合してできる。

 ⁺H3N・CHR1・COO⁻+⁺H3N・CHR2・COO⁻+……+⁺H3N・CHRn・COO⁻─→⁺H3N・CHR1・CONH・CHR2・CONH……CONH・CHRn・COO⁻+(n-1)H2O

ここでタンパク質中のアミノ酸の単位-NH・CHRi・CO-をアミノ酸残基,つなぎ目の部分-CONH-をペプチド結合という。またタンパク質内でのアミノ酸残基の順序をアミノ酸配列,順序を問わない各アミノ酸の量をアミノ酸組成という。アミノ酸組成を調べるには,タンパク質を6規定塩酸中,110℃で一昼夜,加水分解し,アミノ酸に変えてから自動アミノ酸分析機にかけて各アミノ酸を定量する。定量法としては,ニンヒドリンを加えて加熱し,できた青色(プロリンの場合は黄色)の化合物を比色定量することが多い。アミノ酸配列はタンパク質を酵素や化学反応で断片化したり,末端のアミノ酸を遊離させたりした後,アミノ酸組成を調べるという操作をくり返して決定する。アミノ酸配列はアミノ末端側からカルボキシル末端側への向きで(前記の化学式の左から右へ),たとえばMet・Leu・Arg・……・His・Serなどと表記する。生体内でのタンパク質合成の際には,アミノ酸配列はメッセンジャーRNA(mRNA)上での塩基の三つ組(トリプレットまたはコドンという)の配列により決定される。トリプレットとアミノ酸との対応を示す表は遺伝暗号表(遺伝暗号)またはアミノ酸コード表と呼ばれる(表1)。トリプレットの2番目の塩基が,対応するアミノ酸の物理・化学的性質と相関関係がある(2番目にUをもつものは非極性アミノ酸。A,Gをもつものは側鎖に電荷をもつアミノ酸)。

 アミノ酸の種々の側鎖の物理・化学的性質は,タンパク質の構造形成と機能にうまく使われている。たとえばLeu,Pheなどの非極性側鎖は水と親和性が低く,Arg,Glnなどの極性側鎖は水と親和性が高い。タンパク質分子は固有の立体構造をとる際に,なるべく非極性側鎖が分子内部に,極性側鎖が分子表面に位置して折りたたまれるように設計されている。またCys,His,Ser,Asp,Gln,Lysの側鎖は他の有機化合物と求核反応する性質をもっているが,多くの酵素ではこれらのアミノ酸残基が活性中心にあって,化学反応をつかさどっている。またあるpHで電解性側鎖に水素イオンの結合・解離が起こるとタンパク質の性質が変わり,これが生理活性のpHによる調節機構の基盤となっていることが多い。

アミノ酸R・CHNH3⁺・COO⁻は生体内で分解される際,はじめにいくつかの反応で酸化され,対応するケト酸R・CO・COOHとアンモニアNH3になる。アンモニアは植物や微生物では生合成に再利用されることが多いが,動物ではかなりの部分が排出される。一般に水生動物ではアンモニアのまま,陸生脊椎動物では尿素や尿酸に変えられてから排出される。一方,ケト酸の方はピルビン酸アセチルCoAクエン酸回路中間体のいずれかを経てクエン酸回路に入り,二酸化炭素にまで分解される(図3)。この時,哺乳類ではアセチルCoAになるアミノ酸(Leuなど)は,クエン酸回路中間体が存在しないとクエン酸回路に入れず,副反応でアセトンなどのケトン体を蓄積する。これに対しピルビン酸やクエン酸回路中間体になるアミノ酸(Ala,Asp,Glnなど)は,それのみで完全に分解されるだけでなく,オキサロ酢酸を経てブドウ糖になることもできる(図3)。

 アミノ酸を生合成する能力は生物種によって異なる。ヒトはタンパク質を構成するアミノ酸20種のうち10種(Arg,Ile,Trp,Thr,Val,His,Phe,Met,Lys,Leu)を十分量合成できず,食物として摂取しなければならない。これを必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)という。高等植物は20種のアミノ酸全部を合成でき,微生物は種により合成能力がまちまちである。いずれの場合でもアミノ酸は,炭水化物代謝すなわち解糖系,ペントース・リン酸経路,クエン酸回路の中間体より合成される(図4)。このときの窒素源は直接的にはアンモニアであるが,植物や一部の微生物では硝酸塩を,根粒バクテリアなどでは窒素ガスをアンモニアに変えることができるので,これらの反応も生態系的観点から重要である。またアミノ酸を材料(の一部)として生合成されるものに,タンパク質のほか核酸の塩基,ヘムなどがある。

 実験室でのアミノ酸の化学合成法としては,シュトレッカーStrecker法が有名である。これはアルデヒドシアン化水素とアンモニアを作用させた後,加水分解する方法である。

またカルボン酸のα-炭素をクロロ化またはブロモ化した後に大過剰のアンモニアを加えてアミノ基に置き換えるのも簡単で便利な方法である。

 工業的な面から見ると,種々のアミノ酸のうちで,L-グルタミン酸(化学調味料。1979年の世界供給量約27万t),D,L-メチオニン(飼料添加物。同約18万t),L-リシン(飼料添加物。同約2万5000t),グリシン(食品添加物。同約6000t)が主な生産品である。他のアミノ酸は医薬品としての需要が主だが,おのおの年間数百t以下の生産しかない。これらは微生物による発酵法(グルタミン酸,リシンなど),化学合成法(メチオニン,グリシンなど),この両者の組合せ(アスパラギン酸,アラニンなど),タンパク質分解物よりの抽出(チロシン,シスチンなど)などの方法により作られている。今後は遺伝子工学の発展により,発酵法が盛んになると思われる。

アミノ酸は生物を構成する基本的物質であるから,隕石の中にアミノ酸が見つかると宇宙生命の痕跡を示すものとして話題になる。1953年にミラーS.L.Millerはメタン,アンモニア,水素,水蒸気の混合気体中で放電を行ったところ,グリシン,アラニンなどのアミノ酸が得られたと発表した。これは,太古の地球上の原始気体から無機的にアミノ酸が生じえたという可能性を示すもので,生命発生の前段階の化学進化のモデルとして有名である。
RNA →タンパク質
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化学辞典 第2版 「アミノ酸」の解説

アミノ酸
アミノサン
amino acid

分子内にアミノ基(置換アミノ基も含む)とカルボキシル基をもつ化合物の総称.アミノ基とカルボキシル基が同一炭素原子に結合しているものをα-アミノ酸,相対結合位置が離れるに従い,β-,γ-,δ-アミノ酸と称する.もっとも重要なものはα-アミノ酸で,タンパク質を構成しているアミノ酸はすべてα-アミノ酸RCH(NH2)COOH(RはHまたは炭化水素基)である.分子中に含まれるアミノ基とカルボキシル基の数の割合によって等電点が異なり,中性(モノアミノモノカルボン酸),酸性(モノアミノジカルボン酸),塩基性(ジアミノモノカルボン酸)アミノ酸に分類される.また,Rの種類により,脂肪族あるいは芳香族アミノ酸,硫黄を含むものを含硫アミノ酸,ヒドロキシ基をもつものをヒドロキシアミノ酸ということもある.通常,タンパク質からは20種類のアミノ酸が単離確認されている.自然界には,さらに約200種類が遊離アミノ酸またはペプチドとして存在することが報告されている.タンパク質を加水分解したアミノ酸混合物からの分離には,等電点沈殿,電解,イオン交換クロマトグラフィー,吸着剤による方法,溶媒による抽出,エステル化後分留などの方法があり,特定のアミノ酸に対しては適当な化合物と難溶性塩として分離する.工業的には,微生物の培地に特定のアミノ酸を蓄積させる発酵法も用いられる.ハロカルボン酸とアンモニアとの置換反応がもっとも一般的なアミノ酸の合成法であるが,α-アミノ酸の合成法のおもなものには,ストレッカー法(ストレッカーのアミノ酸合成),α-(アシルアミノ)マロン酸法,α-ケト酸の還元アミノ化法などがある.D,L-アミノ酸はN-アシル化後,光学活性塩基やアシラーゼによる不斉加水分解によって光学分割される.天然産のアミノ酸はL形であるが,ペプチド抗菌性物質はD形を含むことがある.一般に結晶しやすく味があり,無機塩に似た性質をもつ.すなわち,融点は高く分解点を示すものが多く,水に可溶,有機溶媒に不溶である.分子内にアミノ基とカルボキシル基をもつので両性電解質であり,酸性溶液中では陰極へ,アルカリ性溶液中では陽極へ泳動する.酸塩基平衡は次式のとおりである.

等電点では,個々のアミノ酸は溶解度が最小,旋光度は最低値を示す.化学的には,アミンとカルボン酸の両方の反応性を示す.また,ヒダントイン,カルバミド酸,アズラクトンジケトピペラジンペプチドなどを形成する.α-アミノ酸はニンヒドリンと反応して青紫色ないし赤紫色に呈色するので,定性や定量に用いられる.栄養上あるいは窒素平衡を保つのに外部から摂取する必要のあるアミノ酸は必須アミノ酸とよばれる.特有の生理活性をもつものも多く,医薬や調味料に使われる.

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百科事典マイペディア 「アミノ酸」の意味・わかりやすい解説

アミノ酸【アミノさん】

アミノ基−NH2とカルボキシル基−COOHをもった化合物の総称。一般式でR・CH・NH2・COOHと表されるものを,α‐アミノ酸という。アミノ基とカルボキシル基が隣合う別の炭素原子に結合しているものをβ‐アミノ酸,結合位置がさらに一つずつ離れるごとに,γ‐,δ‐アミノ酸などと呼ぶ。多く無色の結晶で水に可溶。代表的な両性電解質である。タンパク質の重要な構成成分だが,遊離の形でも生物界に広く存在する。天然には約50種,そのうちタンパク質を構成するものは20種類である。ヒトや動物の成長や健康維持のために摂取する必要のあるものを必須(ひっす)アミノ酸という。アミノ酸は,生体にとってはタンパク質を構成する素材として重要なだけでなく,核酸を構成するプリン塩基やピリミジン塩基を合成する材料にもなり(アスパラギン酸,グルタミン,グリシンなど),神経伝達物質(グルタミン酸,γ‐アミノ酪酸,グリシンなど)としても働くなど,きわめて多彩な役割を果たしている。
→関連項目トランスアミナーゼ

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知恵蔵 「アミノ酸」の解説

アミノ酸

アミノ酸はたんぱく質の構成要素で、水が作用して起こる加水分解によってできる。植物は本来、たんぱく質を構成している20種類のアミノ酸を合成できるが、人間を含む多くの動物は合成できないので食物として摂る必要がある。疎水性(水に溶けにくい)アミノ酸のロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンと、親水性(水になじむ)アミノ酸のリジン、ヒスチジン、トレオニンの9種は人にとっての不可欠アミノ酸と呼ばれている。アミノ基(‐NH^2)が酸基(‐COOH、カルボキシル基という)の隣の炭素原子に結合しているものをα‐アミノ酸といい、20種類ある。合成の経路や分子構造により、アスパラギン酸、グルタミン酸、分岐アミノ酸、セリン、芳香族アミノ酸、ヒスチジンの6グループに大別される。アミノ酸同士は、それぞれのアミノ基とカルボキシル基が連結してペプチド結合を作り、これが数個から十数個つながったものがペプチドに、さらに長い鎖のようにつながったものがポリペプチド、つまりたんぱく質になる。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)


アミノ酸

天然には約20種のアミノ酸があり、多くは窒素化合物としてたんぱく質に組み込まれている。体内において消化酵素で加水分解され、アミノ酸になる。中でもリジンやメチオニンなど9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、食物からの摂取が必要となる。グルタミン酸はうま味の基準物質で、昆布や野菜類に多く含まれ、γ‐アミノ酪酸(GABA)は血圧上昇抑制や利尿作用の効用が期待され、発芽玄米やギャバロン茶に多く含まれている。タウリンは硫酸基を持つ広義のアミノ酸の一種。カキなどの魚介類に多く含まれ、血清コレステロールの低下作用が期待されている。また、アミノ酸を混合させたアミノ酸飲料が人気となっている。

(的場輝佳 関西福祉科学大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

栄養・生化学辞典 「アミノ酸」の解説

アミノ酸

 一般的にはタンパク質や生理活性ペプチドの構成単位で,次の式で表される化合物H2NC(R)(H)COOHであるが,プロリン,ヒドロキシプロリンなどのイミノ基をもつものや,-COOHが,-SO3Hになったもの(例えばタウリン),-PO3Hになったもの(例えば2-アミノエチルホスホン酸),H2NCH2CH2COOH(β-アラニン),H2N-C(CH3)(CH3)COOH(α-アミノイソ酪酸),などもアミノ酸に含める.さらに,γ位にアミノ基をもつもの,δ位にアミノ基をもつものもある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアミノ酸の言及

【栄養】より

…このような栄養型を独立栄養(無機栄養,自栄養)という。これに対して動物の多くはきわめて限られた合成能力しかもたず,エネルギー源として炭水化物,脂肪,タンパク質などの高分子化合物を必要とするうえに,体を構成するタンパク質の材料である20余種のアミノ酸のうちの約10種(必須アミノ酸),補酵素などの構成成分として必要なビタミン類,不飽和脂肪酸なども要求し,それらのものを食物として摂食する必要がある。このような栄養型を従属栄養(有機栄養,異栄養)という。…

【化学化石】より

…1967年,G.エグリントンとM.カルビンが命名した。化石の有機物については,すでに1954年にP.H.アーベルソンによって,デボン紀以降の各種の化石からアミノ酸が検出され,化石の研究に生化学の方法が導入できるとして,古生化学という研究分野が提唱されていた。最も安定な有機化合物は炭化水素で,炭素‐炭素の結合エネルギーは66.5kcalである。…

【カルボン酸】より

…分子内に環式構造をもたない鎖式のモノカルボン酸を脂肪酸という。カルボキシル基以外に水酸基-OH,アミノ基-NH2,カルボニル基C=O等をもつものをそれぞれヒドロキシ酸(オキシカルボン酸,オキシ酸ともいう),アミノ酸ケト酸などと呼ぶ。カルボン酸のなかには古くから知られているものが多いために,ギ(蟻)酸,酢酸,安息香酸と慣用名で呼ばれるものが多いが,複雑なものについては組織的命名法である国際命名法(IUPAC命名法)が用いられている。…

【タンパク質(蛋白質)】より

…しかし,われわれが牛肉を食べても,牛肉のタンパク質がそのまま体内に入り,筋肉になるのではない。牛肉のタンパク質は,消化管内で構成成分であるアミノ酸にまで分解された後,体内に吸収される。生物の体は,これらのアミノ酸を遺伝情報(核酸の塩基配列)に従ってつなぎ,それぞれに固有のタンパク質を合成するのである。…

※「アミノ酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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