包丁人(読み)ホウチョウニン

デジタル大辞泉 「包丁人」の意味・読み・例文・類語

ほうちょう‐にん〔ハウチヤウ‐〕【包丁人】

料理人。また、料理名人包丁師。包丁じゃ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「包丁人」の意味・わかりやすい解説

包丁人
ほうちょうにん

庖厨 (台所) にあって魚,鳥を料理する人。もとは中国の有名な料理人の名前という。『徒然草』によると,包丁者の初めは山蔭中納言ということになる。平安時代の貴族社会では,日常の食料召使の者たちが料理したが,年中行事,一家祝賀などの料理をつくる際はもちろん,来客に料理を調進する際にも,その邸の主人がみずから包丁をふるって客をもてなすようなことがあった。これは包丁さばきを一つの技能として興じたもので,やがてこれが包丁式にまで発展するようになると,その技を披露する包丁人も一家の主人とはかぎらなくなり,調理に堪能なものがあたるようになった。またその後,室町時代には大草派や四条派などの料理の流派もでき,その包丁人たちによって包丁式も一つの型の大成をみた。一方,料理そのものを職業とする者も現れ,これがやがて「板前」と呼ばれるようになる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android