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板前 いたまえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

板前
いたまえ

日本料理の料理人。「」は「板 (まないた) 」の「いた」で,そので調理する人のことを「板前」,上方では「板元」ともいった。職業的料理人で,江戸時代に普及した料理茶屋などで働き,その職階には,本板,脇板,立鍋,脇鍋,焼方,立洗方,下洗方,追廻などがあり,きびしい徒弟制度がしかれ,一人前になるには,食器の洗い方から始って,材料の下ごしらえ,焼き物,煮物などと進み,長い修行が必要とされた。なお,板前主任には,店を切盛りする重要な仕事がまかされることもあった。 (→包丁人 )

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デジタル大辞泉の解説

いた‐まえ〔‐まへ〕【板前】

調理場のまな板を置く所。板場。
日本料理の料理人。また、料理人の頭(かしら)。板場。いた。
日本料理の手並み。調理の方法。

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百科事典マイペディアの解説

板前【いたまえ】

日本料理の調理人。板は俎(まないた)のことで,もと客を供応する際に主人が俎の前に座して調理する儀礼があったのに由来する。本来は料理の堪能(たんのう)者や料理人の頭(かしら)を称したが,現在では料理人の通称となっており,その頭を花板などと称している。

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大辞林 第三版の解説

いたまえ【板前】

〔俎板まないたの前の意から〕
料亭・旅館などの料理人。特に日本料理の料理人。いた。 → 板場いたば
調理場。調理台。 「綺麗に-の片付いてる仕出屋/うづまき

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

板前
いたまえ

19世紀に多くなった料理屋の料理職人のこと。関西では板場(いたば)と称する。もともとは年季を積んだ料理場での差配役のことであった。15世紀に生まれた庖丁師(ほうちょうし)という魚鳥を料理する職人は宴会の席で客の前で料理する出職(でしょく)であり、なま物の料理法にいくつかの流派ができた。また、精進(しょうじん)物の料理職人の調菜(ちょうさい)は17世紀には刻肴師(きざみさかなし)となった。18世紀には庖丁師は刻肴師の技術を取り入れ、いっさいの料理の担い手となった。板前とは、まな板の前にいるからである。板前は自分で店を開くか、料理屋に雇われるか、とにかく居職(いじょく)となった。徒弟制による幾段かの技術階層、部屋制による職場の規制があった。刺身包丁一つに柳刃二つを紫縮緬(むらさきちりめん)の袱紗(ふくさ)に包み、他人のものは使わないというのが板前気質であった。近代でも、日本料理はこうした組織と意識によって技術が保持されていた。西洋料理の影響により、座業から立ち作業となった。現代では法律上、西洋料理職人(コック)とともに調理師となった。[遠藤元男]

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世界大百科事典内の板前の言及

【料理人】より

…安永~天明(1772‐89)ころ全盛を誇った江戸洲崎の升屋宗助,それに対抗した樽屋三郎兵衛,享和(1801‐04)ころから台頭した八百善の八百屋善四郎などは,その料理が一部特権階級だけのものだったとしても,日本料理の味覚の質を向上させたといえる。現在の日本では和風料理店の料理人を板前と呼んでいる。まないたに向かう人の意で,このことばは江戸後期から使われ始めた。…

※「板前」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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