土代（読み）ドダイ

デジタル大辞泉

ど‐だい【土代】

文書・書画類の下書き。草稿。草案。〈色葉字類抄〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ど‐だい【土代】

〘名〙

① 文書・書画類の下書き。草案。草稿。

※権記‐長保二年（1000）二月二五日「次召紙筆〈左大臣予書土代献上之也〉除目訖大将退下」

② ＝どだい（土台）(一)

※土右記‐延久元年（1069）五月八日「大極殿鵄尾土代可_レ見之由行事所申也」

つい‐しろ【土代】

〘名〙 (「つい」は「つち（土）」の変化したもの) 地面に敷く敷物。

※皇太神宮儀式帳（804）「御床張一条。〈長五尺五寸弘三幅〉土代白細布帳一条」

出典　精選版 日本国語大辞典

山川 日本史小辞典 改訂新版

土代
どだい

下書とも。文書の正文(しょうもん)を作成する際，浄書する前にあらかじめ書かれる草稿のこと。用いる料紙は，正文や案文(あんもん)に比較して粗末。案文との区別は，土代がたんなる下書・草案なのに対し，案文は正文成立後に作成され，正文の控としてなんらかの効力をもつ。土代であるかどうかの判断は，辞句の訂正や見消(みせけち)などによる。正文が失われて，土代のみが伝わることもある。小野道風書「屏風土代」などがある。

出典　山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」

世界大百科事典（旧版）内の土代の言及

【案文】より

…文書を作成の順序に従って分けると，(1)草案，(2)正文（しようもん），(3)案文，(4)写しとなる。文書を作成するには，まず草案(草（そう），土代（どだい）ともいう)を作り，それを清書して相手に渡す。これが正文であるが，場合によっては作成者が控えをとっておくことがある。…

【古文書】より

…これに対し公文書は慎重な手続のもとに発給された。まず草稿(これを土代（どだい）ともいう)を作り，それを加筆修正して清書をし，必要な手続をすませたうえで，発給の責任者が署名･花押あるいは印章を加えて相手に送る。この際差出人は，草稿のほかに控えをとっておくこともある。…

※「土代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」