地域地区制(読み)ちいきちくせい

百科事典マイペディア 「地域地区制」の意味・わかりやすい解説

地域地区制【ちいきちくせい】

都市の環境,利便,安全などを維持するため,個々に指定される区域において土地の利用方法を制限する制度。建築物の用途形態,規模,構造などを限定するもので,都市計画の重要な内容となる。住居商業工業などの用途により分ける用途地域制,敷地面積に対する建築物の面積割合を限定した容積地域制などがあり,また建造物の最高限度や最低限度の定められた高度地区,一般住宅地よりさらに建築密度を下げた空地地区緑地地域)などがある。また美観地区風致地区,歴史的風土保存地区などは,それら地区の美観・風致をそこなわないよう建造物や自然の変更に制限が加えられる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の地域地区制の言及

【公用制限】より

…今日,公用制限は多様化し,強化されているが,公用収用とは異なり財産権を取得するものではないので,損失補償の要否が具体的場合に問題になる。公用制限には,一定の行政上の計画にもとづく地域規制(ゾーニング)を実施する手段として行われる防災地域制,地域地区制,保全地区制と,公共事業のために,特定の土地または物に対して行われる負担制限,公用使用,公物制限がある。防災地域制は,財産権行使に起因する災害の発生を予防するために課せられるものであり,地域地区制は,用途地域制等都市内の土地利用の純化を図るためのものである。…

※「地域地区制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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