精選版 日本国語大辞典 「大槌」の意味・読み・例文・類語
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岩手県東部,上閉伊(かみへい)郡の町。人口1万5276(2010)。陸中海岸のほぼ中央に位置し,南は釜石市,西は遠野市に接する。北上高地の支脈が急斜面となって海に迫り,大槌・小槌両川が東流して大槌湾に注ぐ。海岸部をJR山田線,国道45号線が走る。湾内の安渡(あんど)は天然の良港で,近世は江戸との海産物取引の基地となっていた。産業の中心は水産業で,イカなどの沿岸漁業とホタテガイ,ワカメの養殖が盛ん。大槌川は南部鼻曲りサケの産地として知られ,12月の川開きではサケの即売が行われる。町立サケ・マス人工孵化(ふか)場,東京大学海洋研究所付属国際沿岸海洋研究センターがある。海岸線は風光明美なリアス海岸で,返し波のない〈片寄せ波〉で有名な浪板海岸がある。2011年3月の東日本大震災では,死者行方不明1730人,全壊住宅3680戸にのぼった。
執筆者:松橋 公治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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