山羽式蒸気バス

日本の自動車技術240選 「山羽式蒸気バス」の解説

山羽式蒸気バス

山羽電機工場の山羽虎夫は、工場動力用の蒸気機関や発電機とモーターなどの修理製作を業としていた。 岡山在住の資産家 森房造が1903年開催の大阪第5回内国博覧会で見た送迎用の蒸気バスやガソリン・バスの威力を見て、岡山市内でバス事業を始めるべく、山羽虎夫に製作を依頼した結果、誕生したのが本車である。そこで神戸の輸入商ニッケル商会の通訳であった実兄の山中鯤太郎を訪ね、ガソリン自動車と蒸気自動車の実物を調べ、その上技師の解説文や図面による指導で設計をしている。 おそらく当時の輸入蒸気自動車はロコモービルの2気筒車であり、石油焚きのフラッシュ・ボイラを使っているので、これを自家制ににするため水管式とし、エンジンもミッド・シップに置き、チェ-ンで後車軸を駆動している。自家製ボイラエンジンは重く、その上10人乗りバスなのでロコモービルとほぼ同じ車軸やスプリングは強化し、ステアリングはティラー式のものであるが、針金スポークのホイールは良いとして、空気入りタイヤが出来ないのでソリッドゴムとしたが、このタイヤが命取りととなり試走は失敗し、後に車両は分解されている。保管場所トヨタ博物館 (〒480-1131 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番100号)
製作(製造)年1904
製作者(社)山羽虎夫
資料の種類模型・文献
現状展示(静態)・公開
車名山羽式蒸気バス
会社名山羽電機工場
製作開始年1904
設計者山羽虎夫
協力者森房造(依頼者)
車種・用途公共バス
実車所在/模型なし、模型あり
スタイルオープン10人乗りバス
ドア数後部乗降口ドア
乗員乗員2、乗客10名
車両重量約900kg
エピソード・話題性ボイラを前端にエンジンは中央床下部
構造木骨、木板張り
バンパーなし
ステップ前席用2、乗客用1
全長約4500mm
全幅約1800mm
全高2200mm
タイヤサイズ゙3.50-20in
特徴木造オープンボディ、ベンチシート、10人乗バス、ソリッドタイヤ、ワイヤスポーク
フレーム木骨梯子フレーム
前軸リジッド、1/2リーフ+コイル
後軸リジッド、リーフ1/2、車軸補強
軸距約2700m
前トレッドx後トレッド共に1600mm
ステアリングティラー(舵棒式)
ダンパーなし
スタビライザーなし
走行安定装置なし
特徴フレームとボディは全木製、車軸は鋼管製
冷却/気筒配列なし/直列2
弁機構スライド弁
最高出力/回転数25HP
特徴垂直2気筒25馬力、蒸気エンジンレシプロ式、水管式石油焚きボイラー
ハイブリッドシステム形式なし
変速機なし
駆動方式Mid
モード燃費-
参考文献三栄書房、国産自動車100年の軌跡(1978年)
その他事項シャシー重量:約800Kg;前照灯:なし;ワイパー:なし;ウォッシャ:なし;足ブレーキ;なし;手ブレーキ:後輪チェーン部;最終減速:ディファレンシャル付;最高速度:8km/h;

出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報