岌岌(読み)キュウキュウ

デジタル大辞泉 「岌岌」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐きゅう〔キフキフ〕【××岌】

[ト・タル][文][形動タリ]
山などが高いさま。
「(屏風岩ハ)半空なかぞらより一文字に垂下して、―たる其の勢」〈紅葉金色夜叉
きわめて危ないさま。
国勢の孤立して、―たるをも顧みず」〈竜渓経国美談

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精選版 日本国語大辞典 「岌岌」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐きゅう キフキフ【岌岌】

〘形動タリ〙
① 高いさま。高くそびえている様子。〔交隣須知(18C中か)〕
※心のたどり(1904)〈綱島梁川〉「何ぞ其の岌々(キフキフ)自ら持して我れと間(へだ)つるの甚しき」 〔楚辞離騒
② 危ないさま。〔新撰字解(1872)〕
※経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「国勢の孤立して岌々たるをも顧みず」 〔孟子‐万章・上〕
③ 速いさま。動きのはやい様子。〔潘岳‐笙賦〕

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普及版 字通 「岌岌」の読み・字形・画数・意味

【岌岌】きゆうきゆう(きふきふ)

高くあやうい。〔孟子、万章上〕、南面して立つ。~瞽(舜の父)も亦た北面して之れにす。、瞽を見て、其の容蹙(しゅく)たるり。孔子曰く、斯の時に於けるや、天下殆(あやふ)き哉(かな)、岌岌乎たりと。孟子曰く、否(いな)、此れ君の言に非ず。~此れ齊東野人の語なり。

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