患者の権利(読み)かんじゃのけんり

百科事典マイペディア 「患者の権利」の意味・わかりやすい解説

患者の権利【かんじゃのけんり】

自己決定権を中核とする患者(病者固有の諸権利従前から提唱されていた権利概念であるが,1990年アメリカで制定された〈患者自己決定権法〉や,1994年の世界保健機関(WHOヨーロッパ地域事務所による〈ヨーロッパにおける患者の権利の促進に関する宣言〉,さらに1995年に世界医師会が採択した〈患者の権利に関する改正リスボン宣言〉(ただし日本医師会棄権)などによって広く市民権を得た。内容的には,自己決定権を基礎づけるインフォームド・コンセントカルテ等個人医療情報の開示プライバシーの保障,医療事故・医療過誤訴訟における患者の権利保障,さらには国民の健康権などを含む。日本においても,近年,患者の権利や治療行為の法的性質をめぐる議論が活発化してきており,また〈患者の権利法をつくる会〉の活動もある。→安全配慮義務知る権利
→関連項目HMO

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