精選版 日本国語大辞典 「日本医師会」の意味・読み・例文・類語
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医療保健行政に大きな影響力をもつ医師の組織。その始まりは、1906年(明治39)に公布された旧医師法により医師会規則が定められ、それに基づいて23年(大正12)全国組織の日本医師会が発足した。しかし軍国主義下、42年(昭和17)公布の国民医療法により医師会は官制化され、第二次世界大戦敗戦後、占領軍によって解散を命ぜられた。現在の日本医師会は、48年(昭和23)社団法人として設立された組織である。定款には、目的として、医道の昂揚(こうよう)、医学の発達、普及と公衆衛生の向上を図るとあり、事業として、医道の振作昂揚、公衆衛生の啓発増進、医療の普及指導、医学の振興、医育の整備、医師の補習教育、医事衛生の調査研究、医業経営の改善、医療資材の改良、会員の相互扶助、医師会相互の連絡調整、病院の基準決定、実地修練病院の分類と決定などの項目をあげているが、厚生労働省(とくに旧厚生省)関係の多くの審議会、協議会に代表を送り込むことを通じて医療保健行政に大きな影響力を行使している。また4年に1回、日本医師会主催で、日本医学会を開催して、医学研究の総括をも行っている。会員数14万9319人で、全医師の60.1%の組織率(1998)である。1982年には会員の約70%は病院あるいは診療所の開設者であり、開業医が主体の組織であったが、98年にはその割合は約53%に低下している。
日本医師会は、同じ会員をもって日本医師政治連盟を組織し、集めた政治資金をもってロビー活動を行っている。武見(たけみ)太郎の会長時代(1957~82)、とくに日本医師会の行政への影響力が目だった。
[中川米造]
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…ドイツでは,69年に統一医師法が施行され,73年,ドイツ医師会はドイツ医師を公的に代表する機関となった。
[日本医師会]
日本では,1887年組合法によって各地に医師会の結成がはかられるが,多分に上意下達的性格がつよかった。その後,漢方医団体の復権運動,公的病院との競合,医薬分業などで医師たちは結集し,1906年医師法を成立せしめ,統一組織としての大日本医師会が生まれた。…
※「日本医師会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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