日本医師会(読み)ニホンイシカイ

デジタル大辞泉 「日本医師会」の意味・読み・例文・類語

にほん‐いしかい〔‐イシクワイ〕【日本医師会】

全国の都道府県医師会の会員によって構成される学術専門団体。医学教育向上、関連科学との総合進歩、医師生涯教育、医学・医療の国際交流公衆衛生の指導啓発、地域医療の推進発展など幅広い事業を行う。また、医師を代表して国や官公庁に対して医療政策に関する諮問提言を行う。大正5年(1916)設立。平成25年(2013)年から公益社団法人日医。→日本医師連盟

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「日本医師会」の解説

日本医師会(日医)

1916年に北里柴三郎博士らが設立。医学教育の向上などを目的に活動する。全国47都道府県医師会の会員で構成され、会員数は約17万4千人(2021年12月現在)。中央社会保険医療協議会(中医協)の診療側委員として、医療サービス公定価格である診療報酬の改定に影響力を持つ。政治団体である日本医師連盟は、政治献金国政選挙での推薦などを通じて自民党と関係が深い。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「日本医師会」の意味・読み・例文・類語

にほん‐いしかい‥イシクヮイ【日本医師会】

  1. 開業医中心とする医師の全国的組織。医術の発達普及と公衆衛生の向上、医師の相互扶助、医師会相互の連絡などを目的とする。昭和二二年(一九四七発足

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本医師会」の意味・わかりやすい解説

日本医師会
にほんいしかい

医療保健行政に大きな影響力をもつ医師の組織。その始まりは、1906年(明治39)に公布された旧医師法により医師会規則が定められ、それに基づいて23年(大正12)全国組織の日本医師会が発足した。しかし軍国主義下、42年(昭和17)公布の国民医療法により医師会は官制化され、第二次世界大戦敗戦後、占領軍によって解散を命ぜられた。現在の日本医師会は、48年(昭和23)社団法人として設立された組織である。定款には、目的として、医道の昂揚(こうよう)、医学の発達、普及と公衆衛生の向上を図るとあり、事業として、医道の振作昂揚、公衆衛生の啓発増進、医療の普及指導、医学の振興、医育の整備、医師の補習教育、医事衛生の調査研究、医業経営の改善、医療資材の改良、会員の相互扶助、医師会相互の連絡調整、病院の基準決定、実地修練病院の分類と決定などの項目をあげているが、厚生労働省(とくに旧厚生省)関係の多くの審議会、協議会に代表を送り込むことを通じて医療保健行政に大きな影響力を行使している。また4年に1回、日本医師会主催で、日本医学会を開催して、医学研究の総括をも行っている。会員数14万9319人で、全医師の60.1%の組織率(1998)である。1982年には会員の約70%は病院あるいは診療所の開設者であり、開業医が主体の組織であったが、98年にはその割合は約53%に低下している。

 日本医師会は、同じ会員をもって日本医師政治連盟を組織し、集めた政治資金をもってロビー活動を行っている。武見(たけみ)太郎の会長時代(1957~82)、とくに日本医師会の行政への影響力が目だった。

[中川米造]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「日本医師会」の意味・わかりやすい解説

日本医師会【にほんいしかい】

医師の全国組織。医師の身分確立をめぐる運動は明治初年から全国各地に見られ,1906年医師法の制定,1916年大日本医師会の結成を経て,1923年公法人としての日本医師会が成立した。戦時中は国民医療法により官制化され,1947年解散。同年,社団法人として再発足。都道府県医師会の会員で構成,任意加入が原則だが,開業医が主体で,その利益団体的性格が強いとされたが,21世紀を迎えての社会変革の中で国民の保健医療向上に資する役割が期待されている。日本医学会を傘下にもつ。
→関連項目患者の権利日本医療機能評価機構日本歯科医師会認定医承認制度

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本医師会」の意味・わかりやすい解説

日本医師会
にほんいしかい
The Japan Assosiation of Medical Practitioners

医師の利益擁護と医学の進歩,普及を目的とし,個人単位,任意加入を原則とする社団法人の全国組織。第2次世界大戦後,旧日本医師会は連合軍総司令部によって解体を命じられ,1947年アメリカ医師会 AMAにならって,現在の日本医師会が結成された。地区医師会に加入した医師は,自動的に都道府県単位の医師会に加入,さらに日本医師会員となる。全国約 20万人の医師のうち約 13万人が参加し (多くは開業医) ,都道府県医師会員 500人に1人の割合で選出される代議員会が,会長以下の理事者を選出する。日本医師会の事務局は同時に日本の医学界全般を統括する日本医学会の事務を代行している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「日本医師会」の意味・わかりやすい解説

日本医師会 (にほんいしかい)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の日本医師会の言及

【医師会】より

…ドイツでは,69年に統一医師法が施行され,73年,ドイツ医師会はドイツ医師を公的に代表する機関となった。
[日本医師会]
 日本では,1887年組合法によって各地に医師会の結成がはかられるが,多分に上意下達的性格がつよかった。その後,漢方医団体の復権運動,公的病院との競合,医薬分業などで医師たちは結集し,1906年医師法を成立せしめ,統一組織としての大日本医師会が生まれた。…

※「日本医師会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android