…明和から安永・天明期にかけては生花の諸流派が多数の成立をみた時代で,千家流,松月堂古流,古田流,遠州流,庸軒流,源氏流,但千流,正風流,千家我流,相阿弥流,宏道流,石州流,東山流などの流派が,それぞれの主張にもとづいて生花の教導をはじめた。生花がその花形(かぎよう)を明確に定めるのは文化・文政期(1804‐30)であって,陰陽五行説や地水火風空の五大を説いて花形を形成しようとした松月堂古流からはじまって,やがて天地人三才格による花形の定めが一般化し,円形の天に内接する正方形の地の図形を,さらに半切した三角形(鱗形)を求め,天枝・地枝・人枝の3本の役枝によって花形を定める,当時として最も合理的な未生斎一甫の考え方によって,生花はその花形を完成したものとみてよい。このことは幕府の倫理強化策とも相まって,生花を婦女子の修徳の習い事として庶民のあいだに浸透させることともなり,多数の社中を擁する流派が成立し組織としての家元制度の基盤が形づくられることとなった。…
…いけばな流派の一つ。江戸時代文化年間(1804‐18)に未生斎一甫(みしようさいいつぽ)(1761‐1824)によって創流された。一甫は幕臣山村家の生れ。…
※「未生斎一甫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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