灯火親しむべし(読み)トウカシタシムベシ

デジタル大辞泉 「灯火親しむべし」の意味・読み・例文・類語

灯火とうかしたしむべし

韓愈「符読書城南詩」から》涼しく夜の長い秋は、灯火の下での読書に適している。
[補説]「灯下親しむべし」と書くのは誤り。

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精選版 日本国語大辞典 「灯火親しむべし」の意味・読み・例文・類語

とうか【灯火】 親(した)しむべし

秋の涼しさと夜長は、灯火の下で読書するのに適している。「灯火親しむ」は秋の季語として用いる。
三四郎(1908)〈夏目漱石〉四「燈火親しむべし抔(など)といふ漢語さへ借用して嬉しがる様になった」 〔韓愈‐符読書城南詩〕

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故事成語を知る辞典 「灯火親しむべし」の解説

灯火親しむべし

気候もよく夜の長い秋は、ともし火の下でじっくりと読書するのに適している、ということ。

[使用例] そのうち与次郎の尻が次第に落ち付いて来て、灯火親しむべしなどという漢語さえ借用して嬉しがる様になった[夏目漱石*三四郎|1908]

[由来] 八~九世紀の中国文人かんの詩の一節から。「秋になって雨も上がり、涼しくなったばかりの風が郊外の家にも吹いてきた。『灯火ようやく親しむべし(ともし火の下で夜更かしすることも多くなり)』、書物を開くにはもってこいだ」とうたっています。

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ことわざを知る辞典 「灯火親しむべし」の解説

灯火親しむべし

気候もよく夜の長い秋には、灯火の下でじっくりと読書するのがよい。

[使用例] そのうち与次郎の尻が次第に落ち付いてきて、灯火親しむべしなどという漢語さえ借用して嬉しがるようになった[夏目漱石*三四郎|1908]

[解説] 「灯火親しむ」は秋の季語。「灯火親しむべし」も、今日では読書の秋をいう決まり文句のようになっています。韓愈の詩「符読書城南詩」にあることばによるもの。

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