焼石(読み)ヤキイシ

デジタル大辞泉 「焼石」の意味・読み・例文・類語

やき‐いし【焼(き)石】

軽石蛇紋石などを焼いて布や綿に包み、懐中に入れて身体を温めるもの。保温病気治療などに用いる。温石おんじゃく

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精選版 日本国語大辞典 「焼石」の意味・読み・例文・類語

やけ‐いし【焼石】

〘名〙
① 火に焼けた石。焼けていて熱い石。また、日に照りつけられて熱くなった石。
明月記‐正治元年(1199)三月二一日「自今朝腰俄痛、退出以後宛焼石、彌以増」
※京に着ける夕(1907)〈夏目漱石〉「三伏の日に照り付けられた焼石(ヤケイシ)が」
猩々(しょうじょう)腹中にあって、酒を吸い込むという石。
浮世草子好色万金丹(1694)三「酒飲まぬ日はなく、〈略〉『そなたの咽にはどのやうな酒石(ヤケイシ)があるぞ』」

やき‐いし【焼石】

〘名〙 軽石などを焼いて綿や布などに包み、冬または病気などのときに懐中して身体を温めるのに用いるもの。温石(おんじゃく)
落窪(10C後)二「御やきいしあてさせ給はんとや」

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世界大百科事典(旧版)内の焼石の言及

【料理】より

…食物を加熱することにより,タンパク質やデンプンが変化してより食べやすくなるばかりではなく,腐敗の進行を止め,殺菌し,より安全に食べたり,薫製による食料の保存も可能となった。 食料を直火にかざすだけではなく,焼石を利用する料理法も旧石器時代に成立した。焼石を穴のなかに置いた上に食料を並べ,その上に木の葉や土をかけて,焼石を熱源として蒸焼きにする料理法は,現在でも太平洋諸島で行われる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」