三伏(読み)サンプク

デジタル大辞泉 「三伏」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぷく【三伏】

夏の最も暑い時期。夏至後の第3のかのえの日を初伏、第4の庚の日を中伏、立秋後の最初の庚の日を末伏といい、この三つをあわせていう。 夏》「―の月のに鳴く荒鵜かな/蛇笏

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精選版 日本国語大辞典 「三伏」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぷく【三伏】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さんぶく」とも。「伏」は火気を恐れて金気が伏蔵する日の意 )
  2. 一般には、夏至後の第三庚(かのえ)を初伏、第四の庚を中伏、立秋後初めての庚を末伏といい、その初中末の伏の称。五行思想で夏は火に、秋は金に当たるところから、夏至から立秋にかけては、秋の金気が盛り上がろうとして夏の火気におさえられ、やむなく伏蔵しているとするが、庚日にはその状態が特に著しいとして三伏日とした。この日は種まきに悪いという。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「紅塵三伏汗如湯、不鷺鸞栖柳塘」(出典:翰林葫蘆集(1518頃)三・便面)
    2. [その他の文献]〔梁簡文帝‐謝賚扇啓〕
  3. ( から転じて ) 時候の挨拶で酷暑の候をいう。

みつ‐ぶせ【三伏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「ふせ」は矢の長さの単位で指一本を伏せた幅 ) 指三本を伏せた幅。みつがけ。
    1. [初出の実例]「小兵といふぢゃう、十二束三ぶせ、弓はつよし」(出典:平家物語(13C前)一一)
  3. 三重に折りまげて押し伏せること。
    1. [初出の実例]「あふこだめの、みつぶせにおしふせられて」(出典:虎明本狂言・楽阿彌(室町末‐近世初))

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普及版 字通 「三伏」の読み・字形・画数・意味

【三伏】さんぷく

暑熱の時。夏至の後第三庚を初伏、第四庚を中伏、立秋後の初庚を末伏とする。梁・昭明太子〔錦帯書十二月啓、林鐘六月〕三伏漸くり、九夏將(まさ)に謝せんとす。

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世界大百科事典(旧版)内の三伏の言及

【干支】より

…これらの日には建築関係の仕事を忌む。(6)三伏(さんぷく) 夏至以後3度目の庚の日(初伏),4度目の庚の日(中伏),立秋以後最初の庚の日(末伏)を凶日とする。(7)十二直 十二支と別の12のサイクルとを組みあわせてカレンダーを作り,日の吉凶を占うもの。…

※「三伏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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