目先・目前(読み)めさき

精選版 日本国語大辞典 「目先・目前」の意味・読み・例文・類語

め‐さき【目先・目前】

〘名〙
① 目の前。眼前
浄瑠璃源平布引滝(1749)三「くろめんと心配れど目先(さキ)に瀬尾、油断せぬ顔」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「其人の面影而已(のみ)常に眼前(メサキ)にちらついて」
② すぐ先の見通し。ごく近い将来の見通し。
歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)中幕「目先(メサキ)の見えない奴等だ」
当座処置。現在の状況を見はからう機転
滑稽本浮世床(1813‐23)初「目さきがよっぽど上手だのう」
④ 当座の見た様子や形。そのとき、その場の趣向。→目先を変える
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉五月暦「古代花兜なんどの一寸目先(メサキ)の変ったものがないでもなかった」
⑤ 当座。また、ごく近い将来。「目先のことにとらわれる」
⑥ 相場で、一〇日から一か月以内の将来の変動。
中外商業新報‐明治三六年(1903)二月一七日「市場は〈略〉一体に目先尚昂騰の趨勢に見へたりといふ」

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