綺羅(読み)キラ

デジタル大辞泉 「綺羅」の意味・読み・例文・類語

き‐ら【×綺羅】

《「綺」は綾織りの絹布、「羅」は薄い絹布の意》
美しい衣服。羅綺。「綺羅をまとう」
外見が華やかなこと。また、うわべを装い飾ること。「綺羅を張る」「綺羅を競う」
栄華をきわめること。権勢の盛んなこと。
「世のおぼえ、時の―目出たかりき」〈平家一二

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精選版 日本国語大辞典 「綺羅」の意味・読み・例文・類語

き‐ら【綺羅】

〘名〙 (「綺」はあや、模様のある絹の布、「羅」はうすぎぬの意)
綾絹(あやぎぬ)と薄衣(うすぎぬ)。うつくしい衣服。きらびやかなよそおい。
※文華秀麗集(818)中・奉和王昭君〈菅原清公〉「誰堪氈帳所。永代綺羅房」 〔古楽府‐相逢行〕
② 装い飾ること。はなやかであること。また、その人。
※和漢朗詠(1018頃)下「隙駟追ひがたし、綺羅の三千暗に老いんだり〈張読〉」 〔旧唐書‐裴漼伝〕
③ 栄花をきわめること。威光が盛んであること。寵愛を受けること。
※平家(13C前)一「世のおぼえ、時のきら、めでたかりき」
④ 幟(のぼり)の一種。周辺に飾り乳をつけた指物(さしもの)の名。また、その飾り乳。
芝居で、衣装をいう。

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普及版 字通 「綺羅」の読み・字形・画数・意味

【綺羅】きら

あやぎぬと、うすぎぬ。それを着た人。唐・聶夷中〔田家を傷む〕詩 我は願ふ、君王の心 して光の燭と作(な)り 綺羅のを照らさず 只だの屋を照らさんことを

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