薄膜トランジスター(読み)ハクマクトランジスター

デジタル大辞泉 「薄膜トランジスター」の意味・読み・例文・類語

はくまく‐トランジスター【薄膜トランジスター】

ガラス石英基板半導体を薄膜状に真空蒸着させたトランジスター液晶テレビ液晶ディスプレーに利用される。TFT(thin film transistor)。

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化学辞典 第2版 「薄膜トランジスター」の解説

薄膜トランジスター
ハクマクトランジスター
thin film transistor

略称TFT.ガラスなどの絶縁基板上に作製したMISFET(MIS(ミス)+FET(電界効果トランジスター))のこと.MOS(モス)トランジスターの活性層の厚さは100 nm 以下と非常に薄く,これ以外は本質的にMOSトランジスターとしてはなくてもよい部分と考えられ,この膜厚が通常のMOSFET(MOS + FET)をつくるシリコン基板の厚さに比べて薄いため,このような名前がつけられている.具体的には,プラズマCVDにより堆積したアモルファスシリコンや,これをレーザーアニール(焼なまし)などにより多結晶化したシリコンをガラス基板上へ形成させ,そのシリコン上にソースドレイン,ゲート絶縁膜およびゲートをCVDフォトリソグラフィーの技術を使って形成してMISFETとする.液晶ディスプレイ画素のマトリックス駆動用スイッチングデバイスとして,応用上重要なデバイスである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報