トランジスター(英語表記)transistor

翻訳|transistor

百科事典マイペディアの解説

トランジスター

ゲルマニウム,シリコン等の半導体の電気伝導特性を利用し発振,増幅,スイッチング等の作用を行わせる電気回路素子。電界効果トランジスターバイポーラートランジスターがある。バイポーラー型は1個の半導体結晶の電導形式をn-p-nまたはp-n-pにしたもので,通常は一方のp-n接合が順方向にバイアスされ(エミッター接合),他方のp-n接合が逆方向にバイアスされ(コレクター接合)ている。エミッターベースの間に信号を入力し,コレクターとベースの間から増幅された信号を取り出す。バイポーラー型は1948年にアメリカのJ.バーディン,W.ブラッタンにより点接触型トランジスターとして報告され,1949年にはW.ショックレーによりpn接合による理論,ついで成長接合トランジスターの試作が発表された。接合型に結晶を作る途中で他の金属を入れる成長型,金属を溶融させる合金型,金属蒸気を送って内部に混入させる拡散型などがある。トランジスターは小型・軽量で低電圧,小電力で動作し,寿命が長いなどの利点があり,トランジスターラジオなど各種の電気製品が作られた。ICにも組み込まれ,コンピューターなどの電子機器に使用されている。→メサトランジスター
→関連項目真空管トランジスターモーター能動素子

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世界大百科事典 第2版の解説

トランジスター【transistor】

半導体を用いた能動素子。バイポーラートランジスターと電界効果トランジスターがある。電界効果トランジスターは,アメリカのリニエンフェルドJ.E.Linienfeldにより1928年に特許が提出されているが,バイポーラートランジスターは,48年にバーディーンJ.BardeenおよびブラッテンW.Brattainにより点接触トランジスターの形で報告されたものが最初で,その後49年にはショックリーW.Shockleyによりp‐n接合およびp‐n接合を用いたトランジスターの理論が発表され,次いで成長接合トランジスターの試作が発表された。

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化学辞典 第2版の解説

トランジスター
トランジスター
transistor

入力電力よりも大きな出力電力を取り出すことのできる個体増幅素子の総称.1948年,アメリカのJ. Bardeen,W.H. Brattain,W.B. Shockleyの3人によって発明された点接触型トランジスターが最初のもので,もっとも一般的なものは,図示のp-n-pまたはn-p-n接合型トランジスターである.それぞれの領域を,エミッター,ベース,コレクターとよび,エミッター-ベース間は順方向,ベース-コレクター間は逆方向にバイアスされる.順方向バイアス電圧信号によってエミッター部からベース中に少数キャリヤーが注入される.注入された少数キャリヤーの大部分は,ベース-コレクター間の逆バイアス電圧によってコレクター領域に達する.エミッター-ベース間の入力抵抗に比べて,ベース-コレクター間の出力抵抗は 104~105 倍大きいために,入力電力に対して出力電力は 104~105 倍に増幅される.図はベース側を共通電位にしたもので,ベース接地とよばれるが,回路設計上からエミッター接地,コレクター接地方式も用いられる.接合型トランジスターはベース中に注入された少数キャリヤーの動作によって引き起こされるもので,周波数特性は,ベース中を少数キャリヤーの通過する時間で決められる.周波数特性をよくするには,ベース層の幅をできるだけ薄くしたり(1 μm 程度以下),ベース領域中の不純物濃度分布を制御して空間電荷電界を形成して,少数キャリヤーを加速させたり(ドリフトトランジスター),いろいろ工夫されていて,1 GHz 程度まで使用できるものもある.一方,多数キャリヤーを制御してトランジスター作用を行わせるものに,電界効果トランジスターがある.また,p-n接合光起電力効果を利用して,入力信号を光で行わせるものがフォトトランジスターである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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