衝立障子(読み)ついたてしょうじ

精選版 日本国語大辞典 「衝立障子」の意味・読み・例文・類語

ついたて‐しょうじ ‥シャウジ【衝立障子】

〘名〙 部屋の内や縁に立てて置き、内部や隣の席との隔てとする家具。元来は宮殿調度としての移動用障屏具の一つ。表面に絵や文字を書き、その絵様から駒形障子昆明池の障子などともいう。ついたち。ついたて。ついたてそうじ。ついたちしょうじ。ついたちそうじ。
永昌記‐嘉承元年(1106)七月二三日「馬道東西立同突立障子五基」
※大弐集(1113‐21)「ついたてしゃうじのゑに紅葉ひまなく散りかかり」

ついたて‐そうじ ‥サウジ【衝立障子】

※浜田本宇津保(970‐999頃)藤原の君「ついたてさうし立て、太き縄引きて」

ついたち‐しょうじ ‥シャウジ【衝立障子】

古今著聞集(1254)一一清涼殿の弘庇に、ついたち障子をたてて」

ついたち‐そうじ ‥サウジ【衝立障子】

※枕(10C終)二三五「侍の曹司。〈略〉ついたちさうし」

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デジタル大辞泉 「衝立障子」の意味・読み・例文・類語

ついたて‐しょうじ〔‐シヤウジ〕【衝立障子】

ふすま障子や板障子に台をつけて、持ち運びしやすくしたもの。平安時代から殿舎内の仮仕切りに用い、のちには玄関・座敷などに立てた。ついたてそうじ。

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世界大百科事典(旧版)内の衝立障子の言及

【障子】より

…これらの事実と《日本後紀》弘仁3年(812)の〈屛風一帖,障子卌六枚を東寺に施入す〉という記事を勘案するならば,障子は屛風とならぶ障屛具で,前者が格子の両面に布または紙をはって一枚の板状にしたもので,現在の襖と衝立の総称であったのに対し,後者はそれを6枚連ねて一組とし,折り畳む形式にしたものと解釈できよう。〈衝立〉が語として成立する時期は明確でないが,《枕草子》にあらわれる〈衝立障子〉はその早い例である。障子として一括されていたもののうち,下部に台がついていて自立できる形式のものを衝立障子として分化させたのであろう。…

【衝立】より

…衝立障子(障子)の略。支脚台の上に襖(ふすま)障子や板障子などを立てて目隠しや間仕切に使うもの。…

※「衝立障子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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