駒形(読み)こまがた

大辞林 第三版の解説

こまがた【駒形】

駒の形。将棋の駒の形をしたもの。
馬をかたどった作り物。 「舎人ども-付きて舞ひ遊ぶ/宇津保 祭の使
神事で、馬の作り物をつけて行列に従う神人。 「八幡にては-の神人を殺害して/太平記 36
舞楽の曲名。「狛竜こまりよう」の俗称かという。

こまがた【駒形】

東京都台東区の地名。隅田川西岸の地で、江戸時代吉原通いの船着き場としてにぎわった。地名は浅草寺の南方にある駒形堂に由来する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

駒形
こまがた

東京都台東区(たいとうく)中東部、隅田(すみだ)川に臨む地区。蔵前(くらまえ)と浅草の間にあり、都営地下鉄浅草線が通じる。なお、駒形橋の東側、墨田区側に東駒形の地区がある。地名の由来は、浅草側にある駒形堂(馬頭観世音(ばとうかんぜおん)を祀(まつ)る)にちなむ。江戸中期まではホタルの名所として知られた。江戸通り(水戸街道=国道6号)に臨み、江戸時代から繁栄している所。どじょう料理(「駒形どぜう」)、うなぎ料理、麦とろ飯の老舗(しにせ)が江戸情緒を伝える。なお「君はいま駒形あたりほととぎす」の遊女高尾太夫(たかおだゆう)の句でも有名。[沢田 清]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こま‐がた【駒形】

(近代までは「こまかた」)
[1] 〘名〙
① 駒の形をしたもの。将棋の駒の形をしたもの。
② 「駒遊び」を演ずるとき、舞い人が用いた、馬をかたどったもの。また、それを用いた舞い人。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「こまかた先に立てて、こまあそびしつつ出でて」
③ 神事・祭礼のとき、馬の頭または馬の頭と尾を作って胸や腰につけ、乗馬姿に装ったもの。また、その姿の神人。石清水八幡宮や祇園社などの神事に出る。
※長秋記‐保延元年(1135)八月一五日「次東遊、〈略〉次駒形四人奏舞。有陪従
[2]
[一] 雅楽の曲名。右方の楽(高麗楽(こまがく))。狛龍(こまりょう)の俗称。高麗壱越調(こまいちこつちょう)に属する秘曲。二人舞で、冠をつけ蛮絵装束を着て、作り物の小さな駒形にまたがって舞う(後世の駒踊りに似た形)。競馬の行幸の時など、左方(唐楽)の蘇芳菲(そほうひ)と組み合わせて行なわれた。現在は楽も舞も伝わっていない。小馬形。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「御ぐるまのさきにこまがた舞はせつつ、遊びてものしたまふを」
[二] 東京都台東区南東部、隅田川の西岸に沿う地名。駒形堂があるところから呼ばれた。江戸時代は蛍(ほたる)の名所として知られ、駒形の渡しは吉原通いの船の船着場でもあった。現在は駒形橋が対岸の墨田区東駒形と結ぶ。

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