デジタル大辞泉
「駒形」の意味・読み・例文・類語
こま‐がた【駒形】
1 将棋の駒の形をしたもの。
2 祭事などに使う、馬の頭や尾の作り物で、胸・腰につけて乗馬を装うもの。
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こま‐がた【駒形】
(近代までは「こまかた」)
[1] 〘名〙
① 駒の形をしたもの。将棋の駒の形をしたもの。
② 「駒遊び」を演ずるとき、舞い人が用いた、馬をかたどったもの。また、それを用いた舞い人。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「こまかた先に立てて、こまあそびしつつ出でて」
③
神事・
祭礼のとき、馬の頭または馬の頭と尾を作って胸や腰につけ、乗馬姿に装ったもの。また、その姿の神人。石清水八幡宮や祇園社などの神事に出る。
※長秋記‐保延元年(1135)八月一五日「次東遊、〈略〉次駒形四人奏レ舞。有二陪従一」
[2]
[一]
雅楽の
曲名。右方の楽(
高麗楽(こまがく))。狛龍
(こまりょう)の俗称。高麗壱越調
(こまいちこつちょう)に属する秘曲。二人舞で、冠をつけ蛮絵装束を着て、作り物の小さな駒形にまたがって舞う(
後世の駒踊りに似た形)。競馬の
行幸の時など、左方(唐楽)の
蘇芳菲(そほうひ)と組み合わせて行なわれた。現在は楽も舞も伝わっていない。小馬形。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「御ぐるまのさきにこまがた舞はせつつ、遊びてものしたまふを」
[二] 東京都台東区南東部、隅田川の
西岸に沿う地名。駒形堂があるところから呼ばれた。
江戸時代は蛍
(ほたる)の
名所として知られ、駒形の渡しは吉原通いの船の
船着場でもあった。現在は
駒形橋が対岸の
墨田区東駒形と結ぶ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
駒形
こまがた
東京都台東区(たいとうく)中東部、隅田(すみだ)川に臨む地区。蔵前(くらまえ)と浅草の間にあり、都営地下鉄浅草線が通じる。なお、駒形橋の東側、墨田区側に東駒形の地区がある。地名の由来は、浅草側にある駒形堂(馬頭観世音(ばとうかんぜおん)を祀(まつ)る)にちなむ。江戸中期まではホタルの名所として知られた。江戸通り(水戸街道=国道6号)に臨み、江戸時代から繁栄している所。どじょう料理(「駒形どぜう」)、うなぎ料理、麦とろ飯の老舗(しにせ)が江戸情緒を伝える。なお「君はいま駒形あたりほととぎす」の遊女高尾太夫(たかおだゆう)の句でも有名。
[沢田 清]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
駒形
こまがた
東京都台東区および墨田区,隅田川岸沿いの駒形橋~厩橋間の地区。地名は馬頭観音をまつる駒形堂に由来する。かつては浅草寺の総門があり,旅籠が多かった。現在は玩具,袋物などの問屋町を形成。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報