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絵様 えよう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

絵様
えよう

一般には描かれた模様図案,あるいは下絵などをさすが,建築では細部に施された彫刻や彩色模様などの装飾をいう。絵柄は動植物や人物などの具象的なものから,渦文や若葉文など抽象化されたものまで変化に富む。様式の特徴から建立年代が判定できるため,蟇股 (かえるまた) や虹梁 (こうりょう) ,木鼻 (きばな) などの彫刻は建立年代の指標とされる。鎌倉時代禅宗様大仏様が伝わり盛んに用いられた。桃山期には透かし彫などの装飾彫刻やはなやかな彩色が多用され,江戸時代の社寺建築の装飾へと受継がれた。

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デジタル大辞泉の解説

え‐よう〔ヱヤウ〕【絵様】

物を作ったりする場合の見本としてかかれた絵や模様。また、下がきの絵。絵図面。下絵。
「物の―やるとて、これがやうに仕うまつるべしと書きたる」〈・一〇三〉
図案。模様。
「鴛鴦(をし)の波の綾に文(もん)をまじへたるなど、物の―にも描き取らまほしき」〈胡蝶
鎌倉時代以後の建築で、梁(はり)などに施された模様や彫刻。

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世界大百科事典 第2版の解説

えよう【絵様】

一般には描かれた模様や図柄・図案,あるいはその手本や下絵などをいうが,日本建築においては装飾として部材に付けられた繰形(くりがた),彫刻や模様を指す。絵様は木鼻(きばな),虹梁(こうりよう)や大瓶束(たいへいづか),肘木(ひじき),蟇股(かえるまた),簑束(みのつか),手挟(たばさみ),持送,格狭間(こうざま)などにほどこされ,基本的には輪郭に曲線を組み合わせたものを用い,内部表面にもそれに対応した曲線や文様を彫りこんでいる。

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大辞林 第三版の解説

えよう【絵様】

絵模様。図案。 「御身づからも物のしたかた・-などをも御覧じ入れつつ/源氏 梅枝
物の雛型を図示したもの。下絵。手本。 「ものの-やるとて、これがやうに仕うまつるべしと書きたる/枕草子 103
日本建築で、梁はりや木鼻などに施される彫りの浅い彫刻。宋風建築流入後、特に室町時代に流行した。

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世界大百科事典内の絵様の言及

【建築装飾】より

…しかし,建築装飾には象徴的な意味の伝達機能があるという肯定的評価も根強い。【鈴木 博之】
【日本】
 日本建築のおもな装飾法は,部材に刳形,絵様をつけ,彫刻を付加すること,塗装,彩色や漆塗を施すこと,飾金具を打つことなどである。
[刳形,絵様,彫刻]
 刳形は,建築,家具,器物などの仕上げにおいて,部材を刳ってつくる装飾的な形で,猪目形(いのめがた),葉入り(よういり),洲浜形などがある。…

【社寺建築構造】より

…なお,厨子は宮殿(くうでん)ともいう。
[絵様,繰形]
 部材の輪郭を装飾的な意味で曲線状につくったものを繰形といい,表面に彫ったり描いたりされた文様を絵様(えよう)という。和様に用いられた装飾的曲線は蟇股,笈形,手狭(たばさみ),懸魚,格狭間,雲斗(くもと),雲肘木などであるが,大仏様と禅宗様では木鼻(きばな)(貫や梁の先端をいう),台輪の先端,実肘木(さねひじき),拳鼻(こぶしばな),垂木の先端などに絵様,繰形が用いられ,それらがしだいに動植物を表す彫刻へと進展し,桃山時代になって画期的な発展を見る。…

※「絵様」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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