銭屋惣四郎(2代)(読み)ぜにや・そうしろう

朝日日本歴史人物事典 「銭屋惣四郎(2代)」の解説

銭屋惣四郎(2代)

没年:文政2.8.21(1819.10.9)
生年:明和1.9.10(1764.10.5)
寛延4(1751)年以来続く京都の書肆の2代目。名は春行。佐々木氏。店は楼号を竹苞楼といい,現在は古書肆を営む。。初代春重(1723~92)が姉小路寺町西入ル北側に創業。宝暦9(1759)年,惣四郎と称し,以来この称を継ぐ。享和1(1801)年,春行が現在の寺町通姉小路上ル西側に店を移す。春行は学問好み,多くの学者,文人たちと交わり,自著『宋本鑑定雑記』を残した。3代は春蔭,以下春明,春吉,春隆と続き,7代の当主に至る。竹苞楼の出版書には,伴蒿蹊(『近世畸人伝』『閑田耕筆』など),藤貞幹,大典らの著書をはじめ,『茶経』や上田秋成の『清風瑣言』などの煎茶書,銅脈先生の『太平楽府』や『二大家風雅』などの狂詩集があるほか,法帖,立花書も多い。当家には,これらの出版事情を知り得る資料として貴重な『竹苞楼大秘録』が伝わり,当時の,書肆を含めた文化的なグループの在り方を窺わせて興味深い。<参考文献>水田紀久編『若竹集』

(安永美恵)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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