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近世畸人伝 きんせいきじんでん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

近世畸人伝
きんせいきじんでん

近世の諸階層の特色ある人物百余名の伝記正続各5巻。初版は京都で,正編は伴資芳 (蒿蹊) 著,寛政2 (1790) 年刊続編は三熊思考編,資芳校閲で同 10年刊。職業,貴賤を問わず,一芸一行にすぐれた者を奇とし,隠士文士を多く扱うが,無名の町民,農民をも含む。

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世界大百科事典 第2版の解説

きんせいきじんでん【近世畸人伝】

近世後期の伝記。伴蒿蹊(ばんこうけい)著,三熊花顚(みくまかてん)画。続編は三熊花顚原著,蒿蹊加筆完成。挿画は花顚の妹露香。1790年(寛政2)刊,続編は98年刊。5巻,続編も5巻。近世初頭から執筆時に至る間に故人となった畸人約200人の伝記集。武士,商人,職人,農民,僧侶,神職文学者,学者,さらに,下僕,婢女,遊女から乞食者などに及ぶ多彩な人物を載せる。中江藤樹,貝原益軒など有名な人のみならず,この書で世に知られた人も多い。

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大辞林 第三版の解説

きんせいきじんでん【近世畸人伝】

伝記集。五巻。伴蒿蹊ばんこうけい著。1790年刊。江戸時代の特色ある人物百余人の伝記を集めたもの。「続近世畸人伝」(五巻)は三熊思孝編。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

近世畸人伝
きんせいきじんでん

江戸後期の伝記文学。正編5巻は伴蒿蹊(ばんこうけい)著、1790年(寛政2)刊。続編5巻は三熊花顛(みくまかてん)著、伴蒿蹊補、1798年刊。近世初頭以後、執筆時期までに故人となった畸人(世人に比べて変わっているが人間としてのあり方が天にかなった人の意)約200人の伝記を収める。収載人物は、武士、商人、職人、農民、僧侶(そうりょ)、神職、文学者、学者、さらに下僕、婢女(はしため)、遊女から乞食(こつじき)者などに及び多彩である。たとえば、正編には中江藤樹(とうじゅ)、貝原益軒(かいばらえきけん)、僧鉄眼(てつげん)、小野寺秀和妻、遊女大橋、売茶翁(ばいさおう)、柳沢淇園(きえん)、池大雅(いけのたいが)、祇園梶子(ぎおんかじこ)、続編には石川丈山(じょうざん)、佐川田喜六(さかわだきろく)、僧元政(げんせい)、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)らを載せる。正編は優れた文章で記述され、花顛画の挿絵も風俗考証に基づいたものとして知られる。[宗政五十緒]
『宗政五十緒校注『近世畸人伝・続近世畸人伝』(1972・平凡社・東洋文庫) ▽宗政五十緒著「『近世畸人伝』の成立」(『日本近世文苑の研究』所収・1977・未来社)』

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世界大百科事典内の近世畸人伝の言及

【伝記】より

… 日本では,戦国時代に織田信長,豊臣秀吉などの個性強烈な人物の出現をみた直後,太田牛一の《信長公記》,小瀬甫庵の《太閤記》と,本格的な個人伝が初めて登物したのは,西欧のルネサンスと相通ずる解放感,また実力主義のあらわれだろう。これらはやがて講談化されて大衆に親しまれたが,江戸時代には,原念斎の《先哲叢談》,伴蒿蹊(ばんこうけい)の《近世畸人伝》なども出,伝記の対象の幅がぐっと広まった。ことに〈畸人〉への着眼には新鮮さがあるが,人間の厚みや複雑さの定着がいま一歩ものたりない。…

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