γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(読み)ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ

化学辞典 第2版 の解説

γ -グルタミルトランスペプチダーゼ
ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ
γ-glutamyltranspeptidase

EC 2.3.2.2.γ-GTPともいう.グルタチオンからγ-グルタミル基を切り出し,それにアミノ酸を結合させる酵素で,細胞外のアミノ酸を細胞内に取り入れるのを助ける酵素.

 グルタチオン(γ-Glu-Cys-Gly) + アミノ酸 →

γ-Glu-アミノ酸 + Cys-Gly 

肝臓腎臓に多く存在し,肝疾患で血中濃度が上昇するので,肝機能検査に用いられる.長期・多量飲酒者では,いちじるしい高値を示す.[CAS 9046-27-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 の解説

γグルタミルトランスペプチダーゼ

 [EC2.3.2.2.].γ-グルタミルトランスフェラーゼともいう.グルタチオンなどγ-グルタミル化合物のγ位のペプチド結合を切断して他のペプチドN末端グルタミン酸もしくはグルタミン酸を末端にもつペプチドを転移する反応を触媒する酵素.通常グルタチオンが基質である.肝臓,腎臓,膵臓などに存在.肝炎などで血中濃度が著増する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のγ-グルタミルトランスペプチダーゼの言及

【肝機能検査】より

…胆汁中に分泌される胆汁酸およびコレステロールの血清中の濃度も上昇する。また胆汁流の障害に伴って,肝臓が障害されてアルカリホスファターゼ,γ‐グルタミルトランスペプチダーゼγ‐glutamyl transpeptidase(γ‐GTP),ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)など胆道系に存在している酵素と,肝細胞中のグルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼglutamic oxaloacetic transaminase(GOT)やグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼglutamic pyruvic transaminase(GPT)などの酵素が血中に出てくるため,血清活性値が上昇する。しかも,これらの血清酵素活性値の変化には,障害の部位や性質に応じて特徴がみられるため,これらの検査は黄疸の鑑別診断に役立つ。…

※「γ-グルタミルトランスペプチダーゼ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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