《安達原》(読み)あだちがはら

世界大百科事典(旧版)内の《安達原》の言及

【安達ヶ原】より

…この土地には古くから鬼が住むという伝説があり,たとえば平安後期成立の《拾遺和歌集》に,平兼盛の詠として〈みちのくの安達の原の黒塚に鬼こもれりときくはまことか〉の歌が入っている。この古伝説を踏まえて,謡曲の《安達原》(現在,観世流以外の流派では《黒塚》という)が生まれた。熊野山伏が行き暮れて一つ家に宿るが,主の老婆の留守に,禁を破って閨(ねや)の中をのぞき,死骸の山を見て逃げ出す。…

【奥州安達原】より

…5段。通称《安達原》。近松半二・竹田和泉・北窓後一・竹本三郎兵衛らの合作。…

【黒塚】より

…(1)能の曲名。観世流は《安達原(あだちがはら)》と称する。四・五番目物。…

【輪廻】より

…平安時代には空海のような高僧を聖徳太子の生れ変りとするような信仰もおこり,聖徳太子も多生のあいだ仏道を行じた結果,太子と生まれたという説話ができたのも,輪廻思想があったからである。しかしこれを否定する思想もあって,謡曲《安達原》では〈生死に輪廻し五道六道にめぐる事,唯一心の迷なり〉ともあり,輪廻思想はかならずしも日本に定着しなかった。因果応報【五来 重】。…

※「《安達原》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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