化学辞典 第2版 の解説
アインシュタインの粘度式
アインシュタインノネンドシキ
Einstein's viscosity formula
粘度が η0 の液体中に微小球形粒子を分散させたとき,その粒子の体積分率をとすると,が小さいときにはこの分散系の粘度ηは次の式で与えられる.
η = η0(1 + K)
これはA. Einstein(アインシュタイン)が流体力学的に導いた式で,アインシュタインの粘度式という.理論的にはK = 2.5となり,実験的にこの値が得られたときには,分散粒子が球形であることの傍証となる.H. Staudinger(シュタウディンガー)は多くの線形有機化合物について実験した結果,Kの値が2.5からはずれただけでなく,低濃度において,同族列の分子ではその値が分子量に比例することを発見し,この関係(シュタウディンガーの式)から分子量を求めて,高分子が実在することに確信を得た.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報