アオカミキリモドキ(その他表記)Xanthochroa waterhousei

改訂新版 世界大百科事典 「アオカミキリモドキ」の意味・わかりやすい解説

アオカミキリモドキ
Xanthochroa waterhousei

甲虫目カミキリモドキ科の昆虫。日本全土のほか,朝鮮半島やサハリンにも分布する。成虫の体は橙黄色で上翅は緑色または金緑色。体長10~16mm。平地に比較的多く生息し,5月ごろから出現する。6月ごろにもっとも多く発生し,主として雄が灯火に飛来する。体液カンタリジンと呼ばれる有毒物質を含み,この液による水泡性皮膚炎が知られている。6~7月ごろスギなどの針葉樹朽木に乳白色でバナナ形の卵を固めて産みつける。幼虫は朽木の中へ潜り込み,朽木を食べて育つ。幼虫で越冬し初夏のころ朽木中で成虫となる。Xanthochroa属は日本から17種が知られているが,キクビカミキリモドキ,カトウカミキリモドキ,シリナガカミキリモドキなどは本種に似る。北海道山間では灯火に集まるキクビカミキリモドキX.atricepsによる皮膚炎の被害が多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アオカミキリモドキ」の意味・わかりやすい解説

アオカミキリモドキ
あおかみきりもどき / 青擬天牛
[学] Xanthochroa waterhousei

昆虫綱甲虫目カミキリモドキ科に属する昆虫。体長11~15ミリメートル。日本全土、および朝鮮、樺太(からふと)(サハリン)に分布する。体は細長くて橙黄(とうこう)色、上ばねは金属緑色。成虫は普通、木の葉の裏にいるが、夏の夜、灯火によく飛んでくる。人体に留まったときにつぶしたりすると、体液が出て皮膚に水ぶくれができることがある。近似種にカトウカミキリモドキ、シリナガカミキリモドキなどがあるが、本種の雌は腹端がとがって切れ込みがなく、雄では2葉片が左右からあわさった形をなしており、他種と区別できる。

[中根猛彦]

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「アオカミキリモドキ」の解説

アオカミキリモドキ
学名:Xanthochroa waterhousei

種名 / アオカミキリモドキ
解説 / 夜、明かりに飛んできます。つぶしたりして体液にふれると、皮ふえんを起こします。
目名科名 / コウチュウ目|カミキリモドキ科
体の大きさ / 11~15mm
分布 / 北海道~九州
成虫出現期 / 7~8月
幼虫の食べ物 / 針葉樹のくち木

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世界大百科事典(旧版)内のアオカミキリモドキの言及

【カミキリモドキ】より

…成虫は昼間活動性のものと夜間活動性のものがあり,モモブトカミキリモドキOedemeronia lucidicollisなどは日中盛んに活動し,花に集まり花粉,花みつを食べる。アオカミキリモドキXanthochroa waterhousei(イラスト)などは日没ごろより活動し,灯火にも飛来する。この科にはカンタリジンcantharidineと呼ばれる毒液を出すものが少なくない。…

【カミキリモドキ】より

…成虫は昼間活動性のものと夜間活動性のものがあり,モモブトカミキリモドキOedemeronia lucidicollisなどは日中盛んに活動し,花に集まり花粉,花みつを食べる。アオカミキリモドキXanthochroa waterhousei(イラスト)などは日没ごろより活動し,灯火にも飛来する。この科にはカンタリジンcantharidineと呼ばれる毒液を出すものが少なくない。…

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