アキレウスの画家(読み)アキレウスのがか

改訂新版 世界大百科事典 「アキレウスの画家」の意味・わかりやすい解説

アキレウスの画家 (アキレウスのがか)

ギリシアの陶画家生没年不詳。前460-前430年ころアテナイで活躍本名は明らかでないが,アキレウスを描いた赤絵式のアンフォラ(前440ころ,バチカン美術館)の作者。彼の絵付けの特徴は壺の両面人物を1人ずつ配する構図を用い,それぞれの人物に人間の深い内的感情を与えていることである。とくに白地レキュトスの絵付けに卓抜の技を示し名作ヘリコン》(ミュンヘン国立古代美術館)を含めて,約20点余りが今日彼の作に帰されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 正明 前田

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アキレウスの画家」の意味・わかりやすい解説

アキレウスの画家
アキレウスのがか
Achilles Painter

古代ギリシアの陶画家。前470~前425年頃にアテネで活躍。バチカン美術館所蔵のアキレウスを描いた赤像式アンフォラによってこの名が与えられた。師ベルリンの画家から多大の影響受け,さらにその技法様式を発展させて新境地を開き,パルテノンの時代に,特に葬礼用白地レキュトスにおいて比類ない仕事をした。100点近い白地レキュトスと,約 90点の赤像式陶器が彼の作とされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android