化学辞典 第2版 「アセトアミドフェノール」の解説
アセトアミドフェノール
アセトアミドフェノール
acetamidophenol
acetylaminophenol.C8H9NO2(151.16).【Ⅰ】o-アセトアミドフェノール(2-acetamidophenol):o-ニトロフェノールを氷酢酸中亜鉛と加熱還元し,等モル量の無水酢酸を作用させてアセチル化すると得られる.板状晶.融点209 ℃.エタノール,熱水に可溶.エタノール溶液は塩化鉄(Ⅲ)によって緑色を呈する.カリウムアルコキシドと120 ℃ に加熱すると,酢酸と2-アミノフェノールに分解する.p-フェニレンジアミンと反応してインドール誘導体を与え,それを硫黄および硫化ナトリウムで処理すると茶色の硫化染料になる.【Ⅱ】m-アセトアミドフェノール(m-acetamidophenol):3-アミノフェノールに小過剰の無水酢酸を作用させると得られる.針状晶.融点148~149 ℃.水,エタノールに可溶,エーテル,ベンゼン,クロロホルムに難溶.【Ⅲ】p-アセトアミドフェノール(p-acetamidophenol):アセトアミノフェンともいう.p-アミノフェノールの水酸化ナトリウム溶液に無水酢酸を加えて振とうし,生成したナトリウム塩を塩酸で中和すると得られる.白色の結晶または粉末.融点169~172 ℃.1.293.メタノール,エタノールに易溶,ジエチルエーテル,冷水に難溶.種々の疼(とう)痛や急性上気道炎における鎮痛や解熱に処方される.アゾ染料や写真材料の原料にも用いられる.LD50 338 mg/kg(マウス,経口).
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報