日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミノフェノール」の意味・わかりやすい解説
アミノフェノール(データノート)
あみのふぇのーるでーたのーと
o-アミノフェノール | |
分子式 | C6H7NO |
分子量 | 109.13 |
融点 | 177℃ |
沸点 | (昇華) |
溶解度 | 1.7g/100ml(水0℃) |
m-アミノフェノール | |
分子式 | C6H7NO |
分子量 | 109.13 |
融点 | 122℃ |
沸点 | 164℃/11mmHg |
溶解度 | 2.6g/100ml(水0℃) |
p-アミノフェノール | |
分子式 | C6H7NO |
分子量 | 109.13 |
融点 | 189.6~190.2℃ |
沸点 | 150℃/3mmHg |
溶解度 | 1.11g/100ml(水0℃) |
アミノフェノール
あみのふぇのーる
aminophenol
ベンゼン環にアミノ基-NH2と、ヒドロキシ基-OHをもつ化合物。o(オルト)、m(メタ)、p(パラ)の3種の異性体があり、いずれも対応するニトロフェノールの還元によって得られる。オキシアニリンともいう。
(1)o-アミノフェノール 昇華性の針状晶。酸化されやすく、空気中で褐色になる。水、エタノール(エチルアルコール)に可溶、エーテルに易溶、ベンゼンに難溶。合成染料の中間体となるほか、銀の定性分析、金の定量分析に用いられる。
(2)m-アミノフェノール 柱状晶。熱水、エーテル、エタノールに易溶、ベンゼンに難溶。アゾ染料の中間体。また抗結核剤p-アミノサルチル酸の原料となる。
(3)p-アミノフェノール 無色の板状晶。水、エタノールに可溶、クロロホルム、ベンゼンに不溶。銅(Ⅱ)、鉄(Ⅲ)などの金属イオンや亜硝酸の検出用試薬、金の定量試薬となるほか、写真の現像薬として用いられる。
[山本 学]