あっせん利得罪(読み)あっせんりとくざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あっせん利得罪」の意味・わかりやすい解説

あっせん利得罪
あっせんりとくざい

政治活動の廉潔性を確保し、政治に対する国民の信頼を確立するために、政治家が口利きをし報酬を得ることについて規制するもの。2000年(平成12)11月、「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」(通称は「あっせん利得処罰法」平成12年法律第130号)が成立罰則が定められた。国会議員、地方議会の議員、地方自治体の首長のほか国会議員の公設秘書が、公共工事の入札物品の購入の場合など国、地方公共団体などの締結する契約に関して、または補助金の交付決定や許可など特定のものに対する行政庁の処分に関して、請託を受けて、政治家の権限に基づく影響力を行使して公務員の職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんすること、またはしたことについて、その報酬として財産上の利益を受けたときは3年以下の懲役となるとしている。制度改正や予算配分などについての口利きは特定業界のためのものでも処罰の対象とはされていない。

[浅野一郎・浅野善治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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