翻訳|Afghan
アフガニスタン全人口の50~60%を占める民族で、パターンPathan、プクトゥンPukhtun、パシュトゥンPashtunともいう。広義にはアフガニスタンに住む全住民を包括した呼称である。浅黒い皮膚に黒い髪をもった、誇り高く勇猛な民族で、国家統一の中軸となり、現在も指導的地位のほとんどを占めている。かつてインダス川流域から移住してきたアーリア系民族であり、インド・ヨーロッパ語族の東部イラン語派に属するパシュトー語を日常語とする。元来は遊牧民で、半乾燥の厳しい自然環境のなかで、南部の丘陵や中央部の高原地帯を移動しながら、ヒツジ、ヤギ中心の遊牧生活を送った。今日でも、遊牧民の伝統は残し、羊毛から特産品のじゅうたんがつくられるが、多くは都市住民、定住農耕民となった。彼らの多くは、コーランの教えに忠実なスンニー派のイスラム教徒である。一夫多妻が認められてはいるものの、ほとんどが今日では単婚である。伝統生活に固執し、男女の行動様式の相違を強調し、都市部でも、女性は外出時には伝統的衣装であるチャードリーを頭からすっぽりかぶって人目に触れないようにする。
[片多 順]
…最高峰はノシャーフ(7470m)で,この国の北東隅にある。平野はヒンドゥークシュ山脈の北または南にあり,北のそれはアフガン・トルキスタンと呼ばれ,トルキスタン地方に連続している。集落の高度は標高約400mから2600mに及ぶ。…
…アフガニスタン全域からパキスタン北西部にかけての地域に住むアーリア系の民族。アフガーンAfghān,パターンPathānとも呼ばれる。人口約1500万,すべてイスラム教徒である。母語はインド・ヨーロッパ語族のパシュト語で,アラビア文字で表記される。原住地は今のアフガニスタン・パキスタン国境を走るスレイマン山脈地方で,18世紀中ごろカンダハールを中心としてアフガニスタンを建国した。1893年,アフガニスタンとイギリス領インドの国境が画定され,これが彼らの住地を二分して,パキスタンでは北西辺境州を形成している。…
※「アフガン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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