ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブル・ワファー」の意味・わかりやすい解説
アブル・ワファー
Abū al-Wafā'
[没]997/998.7. バグダード
ギリシアの書物を翻訳,または注釈を書いたアラビア数学者。多くのアラビア数学者がそうであったように,彼も天文学者であった。バグダードの天文台で仕事をし,959年以来天文台長をつとめた。世界で初めて四分儀をつくり,正弦表の精密な計算をし,正割,余割の概念を導入,また球面三角形の正弦定理を証明した。彼はユークリッドとディオファントスの著作をアラビア語に翻訳し,その注釈を書いた。そのほか実務家のための算術の本と土木工学用の幾何学作図の本を書いている。
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