アブーザイド(その他表記)Abū Zayd

改訂新版 世界大百科事典 「アブーザイド」の意味・わかりやすい解説

アブー・ザイド
Abū Zayd

アラブの物語の主人公。(1)ハリーリー作《マカーマート》の主役で,知性,機智,詩才を存分に生かして人々から報酬を受けるトリック・スター。(2)北アフリカ一帯を舞台にした雄大な《バヌー・ヒラール物語》の主人公。アラビア半島から移住したヒラール族族長を父に,メッカシャリーフ血筋を引く女を母に,敵対するザフラーン族族長ザフラーンを養父に持ち,前半は両部族確執を,後半はヒラール族を中心に近隣する部族をしだいに統合してゆく英雄
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブーザイド」の意味・わかりやすい解説

アブー・ザイド
Abū Zayd al-Hasan al-Sīrafī

9~10世紀のイスラム教徒地理学者経歴は不詳。インド中国に関する情報を集め,著者不明の『シナ・インド物語』 Akhbār al-Sīn wa al-Hindの補遺を著わした。また彼の集めた情報は,マスウーディーらによって引用されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android