アペピ(その他表記)Apepi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アペピ」の意味・わかりやすい解説

アペピ
Apepi

古代エジプト神話のへび。悪霊の化身とされ,光の敵である暗黒を支配する。毎晩太陽神レーを飲み込むためにデュアトの王国に現れたが,神々が戦ってこれを撃退する。彼が日中に現れると雷雲や砂嵐が起る。日食は彼の一時的勝利の印だが,この点でアペピは中国の竜と類似している。悪神セトの変身ともいわれ,ヘラクレオポリス・マグナの創世伝説では,大ねことなったレーがアペピを退治することになっている。コプト文学では,北欧神話のミズガルズへびと似た姿で表現される。このへびを調伏するために,ろうのへびをつくって呪文を唱えながら火中に投じる儀式が行われた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アペピ」の意味・わかりやすい解説

アペピ
あぺぴ
Apepi

エジプト神話で悪霊を表す大蛇。ギリシア語形アポピスとしても知られている。アペピはまた暗闇(くらやみ)をも表し、太陽神ラーあるいはホルスは、日ごとアペピと闘うと考えられていた。『死者の書』(「アニのパピルス」第39章)には、この闘争のようすが書き記されており、またアペピに打ち勝つための方法を記した文書もあった。ギリシア・ローマ人のもとではアペピはテュフォンとよばれ、またしばしばオシリス神話における悪役セトと同一視された。

[矢島文夫]

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