ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アミーチ」の意味・わかりやすい解説
アミーチ
Amici, Giovan Battista
[没]1863.4.10. フィレンツェ
イタリアの光学技術者,天文学者,顕微鏡学者。モデナ大学数学教授をつとめた (1815~25) あと,天文学者としてトスカナ大公に仕え,またフィレンツェ王立博物館館長となって,博物学の講義も行なった。彼はプリズムの改良を行い,今日アミーチプリズムの名で呼ばれ分光器に用いられているプリズムをつくりだした。また反射望遠鏡の反射鏡に改良を加え,これを用いて天体観測を行なって,木星の衛星などに関する重要なデータを得た。そのほか,1840年には試料と対物レンズとの間の空間を油で満たすことによって光の収差を小さくするという油浸法を創始し,この観察技術は細胞学の発達に大きな影響を与えた。彼自身も顕微鏡観察を盛んに行なっており,花粉管を発見し (23) ,花粉管が子房の中を生長し続け珠孔に達するのを観察した (30) 。これらの観察結果は,植物の生殖の機構を理解するうえで重要な資料をもたらした。
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